
カードローンの返済が続かず、「この借金は自己破産で解決できるのか」「銀行のカードローンでも対象になるのか」と不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、カードローンの借金は自己破産の対象です。
銀行カードローンでも消費者金融のカードローンでも扱いは変わらず、裁判所の免責許可が得られれば返済義務は原則としてなくなります。実際、債務整理相談ナビが自己破産経験者100人に行った調査でも、81.0%が借入先に消費者金融を、41.0%が銀行カードローンを挙げており、カードローンの借金は自己破産に至る借金の中心でした。
一方で、自己破産をするには、収入や財産から見て返済を続けられない状態(支払不能)にあると裁判所に認められる必要があります。また、手続き後は信用情報への登録や銀行口座への影響も生じます。
この記事では、カードローンの借金を自己破産できる条件、経験者100人の調査結果、自己破産後の影響と再びカードローンを利用できる時期の目安まで解説します。
カードローンの借金も自己破産の対象になる
まず最初に、カードローンの借金が自己破産でどう扱われるかを整理します。
| 項目 | 扱い |
|---|---|
| 消費者金融のカードローン | 自己破産の対象(免責されれば返済義務は原則消滅) |
| 銀行カードローン | 自己破産の対象(同上) |
| クレジットカードのリボ払い・キャッシング | 自己破産の対象(同上) |
| 免責されないケース | 免責不許可事由に該当する場合は免責されない可能性あり |
カードローンの借金は免責の対象になる
自己破産は、裁判所を通じて借金の返済義務の免除(免責)を受ける手続きです。
破産法253条1項は、免責許可の決定が確定すると破産者は破産債権について責任を免れると定めており、免責されない債権(非免責債権)は同項ただし書きに限定列挙されています。
条文上は「租税等の請求権」「子の監護に関する義務に係る請求権」などの形で定められており、一般に言う税金や養育費、悪意で加えた不法行為の損害賠償金などがこれに当たります。
カードローンの借入はこの非免責債権に含まれないため、免責許可決定が確定すれば返済義務は原則なくなります。「カードローンだから自己破産できない」という制限はありません。出典:破産法第253条(免責許可の決定の効力等)|e-Gov法令検索
自己破産の仕組みや手続きの流れの全体像は、自己破産とは?借金がゼロになる仕組み・デメリット・流れをわかりやすく解説で解説しています。
銀行カードローンも消費者金融カードローンも扱いは同じ
借入先が銀行か消費者金融かによって、自己破産の可否が変わることはありません。どちらも一般の債務として同じように免責の対象になります。
なお、自己破産では特定の借金だけを選んで手続きすることはできません。複数社から借入がある場合は、すべての債権者を申告する必要があります。一部のカードローンだけを対象から外して返済を続けると、後述する免責不許可事由(偏頗弁済)にあたるおそれがあります。
免責されないケースもある
自己破産を申し立てても、必ず免責が認められるわけではありません。破産法には免責不許可事由が定められており、たとえば次のようなケースが該当する可能性があります。
- ギャンブルや過度な浪費が借金の主な原因である場合
- 財産を隠したり、価値を不当に減少させたりした場合
- 特定の債権者にだけ返済した場合(偏頗弁済)
ただし、免責不許可事由に該当しても、裁判所の裁量で免責が認められるケース(裁量免責)は少なくありません。
免責不許可事由の詳細と該当した場合の対処法は、自己破産の免責不許可事由とは?自己破産できない確率と失敗ケースをわかりやすく解説で解説しています。
該当しそうな事情がある場合こそ、自己判断で諦めずに専門家へ相談することが大切です。
カードローンの借金を自己破産できる条件
カードローンの借金で自己破産が認められるには、主に次の条件を満たす必要があります。
支払不能の状態であること
自己破産の前提となる条件は、「支払不能」であることです(破産法15条1項)。支払不能とは、支払能力を欠くために、弁済期が来た債務を一般的かつ継続的に返済できない状態をいいます(破産法2条11項)。
重要なのは、借金の金額だけで決まるわけではないという点です。同じ300万円の借金でも、収入や生活状況によって支払不能と判断されるかどうかは異なります。収入・財産・借金額・生活状況を総合して裁判所が判断します。
返済の見通しが立たないこと
支払不能の定義には「継続的に」返済できないことが含まれるため、一時的にお金が足りないだけでは、支払不能とは判断されません。今後も継続して返済を続けられる見込みがないことが必要です。
典型的なのは、返済のために別のカードローンから借入を繰り返している状態です。返済しても元本がほとんど減らず、借入残高が増えていくようであれば、返済の見通しが立たない状態に近づいていると考えられます。
裁判所が免責を認めること
支払不能の状態で自己破産を申し立てても、最終的に借金の返済義務がなくなるかどうかは、裁判所の免責審査によって決まります。
裁判所は借金額だけでなく、借入に至った経緯や免責不許可事由の有無、手続きへの協力姿勢などを確認したうえで、免責許可決定を出します。
調査結果|カードローンで自己破産した人の実態
実際にカードローンの借金で自己破産する人は、どのような借入状況だったのでしょうか?
債務整理相談ナビが自己破産経験者100人を対象に実施した「自己破産とカードローン」に関する調査(2026年6月・インターネット調査)の結果を紹介します。
自己破産に至った借入先は「消費者金融」が81%

自己破産に至った主な借入先(複数回答)は、「消費者金融(アコム・プロミス等)」が81.0%で最多でした。「クレジットカードのリボ払い(43.0%)」「銀行カードローン(41.0%)」も4割を超えています。
回答の合計は183.0%に達しており、1人あたり平均で約1.8種類の借入先を併用していた計算になります。自己破産に至る借金は、単一の借入ではなく、消費者金融・リボ払い・銀行カードローンを組み合わせる形でふくらんでいく実態がうかがえます。
借入が複数社になった理由は「返済のための借入」が43%

借入が複数社になった理由は、「返済のために借り入れを繰り返した(43.0%)」が最多で、「1社の限度額では足りなくなった(40.0%)」が続きました。この2つで83.0%を占めます。
新たな出費のためではなく、既にある借金への対応の中で借入先が増えていく——いわゆる自転車操業の構図が、複数社借入の主因になっていました。前述のとおり、返済のための借入を繰り返している状態は、支払不能の判断に近づいているサインといえます。
決断時の借金総額は68%が500万円未満

自己破産を決断した時点の借金総額は、「300〜500万円未満(29.0%)」が最多で、「100万円未満(16.0%)」「100〜300万円未満(23.0%)」を合わせると68.0%が500万円未満でした。「1,000万円以上」は11.0%にとどまります。
自己破産は多額の借金を抱えた人だけの手続きではなく、収入とのバランスや返済の見通しを踏まえて、500万円未満の段階で決断する人が多数派であることが分かります。
調査の詳細な結果は、自己破産に至った借入先は「消費者金融」が81%—経験者100人の実態調査で公開しています。
カードローンを自己破産するとどうなる?
自己破産で免責が認められた場合の効果と、生活への主な影響を整理します。
カードローンの返済義務がなくなる
免責許可決定が確定すると、カードローンを含む借金の返済義務は原則としてなくなります。督促や取り立ても止まり、毎月の返済に追われる状態から抜け出せます。
なお、税金や養育費など一部の債務(非免責債権)は免責の対象外です。
信用情報に事故情報が登録される(5〜7年)
自己破産をすると、信用情報機関に事故情報が登録されます。いわゆる「ブラックリスト」と呼ばれる状態です。
| 信用情報機関 | 主な加盟会社 | 登録期間の目安 |
|---|---|---|
| CIC | クレジットカード会社・信販会社など | 5年 |
| JICC | 消費者金融・カードローン会社など | 5年 |
| KSC(全国銀行個人信用情報センター) | 銀行・信用金庫など | 7年 |
登録期間中は、新たな借入やクレジットカードの審査に通ることは難しくなります。ブラックリストの仕組みと生活への影響は、債務整理のブラックリストとはで詳しく解説しています。
クレジットカードが使えなくなる
自己破産をすると、利用中のクレジットカードは強制解約となり、ショッピング・キャッシングとも利用できなくなります。事故情報の登録期間中は、新規発行も難しくなります。
銀行カードローンの利用銀行では口座が一時凍結されることがある
銀行カードローンを利用している場合、その銀行の口座は手続きに伴い一時的に凍結されることがあります。銀行が預金とカードローン残高を相殺するためです。
給与振込口座や公共料金の引き落とし口座を借入先の銀行に置いている場合は、事前に別の銀行口座へ変更しておく対策が重要です。
凍結の期間・仕組み・事前対策は、自己破産したら銀行口座はどうなる?凍結期間・新規開設・事前対策を解説で詳しく解説しています。
保証人がいる借金は保証人に請求が移る
自己破産で免除されるのは本人の返済義務のみで、保証人・連帯保証人の支払い義務は残ります。保証人付きの借金がある場合、債権者は保証人に請求を行います。
ただし、一般的なカードローンは保証会社が保証する仕組みのため、個人の保証人を立てているケースはまれです。カードローン中心の借金であれば、家族や知人に請求が及ぶ心配は通常ありません。
自己破産後にカードローンは利用できる?
自己破産の後、再びカードローンを利用できるかどうかも気になるところです。
事故情報の登録期間中は審査に通らない
カードローン会社は審査時に信用情報を照会するため、事故情報が登録されている間(目安5〜7年)は、新規借入の審査に通ることは基本的に難しいと考えられます。
登録期間が過ぎれば申込みは可能になる
事故情報は登録期間が経過すると削除され、その後はカードローンへの申込み・審査が可能になります。ただし、削除後も審査に必ず通るわけではなく、収入・勤務状況・他社借入などを含めて総合的に判断されます。
「審査に通った」という口コミは参考程度にとどめる
インターネット上には「自己破産後でもカードローンの審査に通った」という体験談が見られますが、審査基準は各社非公表で、結果は個人の状況によって大きく異なります。他人の体験談を根拠に申込みを判断するのは避けましょう。
「審査なし」「ブラックOK」をうたう業者は利用しない
自己破産後に借入できず困っている人を狙って、「審査なし」「ブラックでも借りられる」とうたう業者が存在します。
正規の貸金業者は法律上、返済能力の調査が義務付けられているため、こうした宣伝を行う業者は違法業者の可能性が高いといえます。高金利や違法な取り立ての被害につながるため、利用しないでください。
カードローンの返済が苦しいときの相談先
カードローンの返済が苦しい場合、解決方法は自己破産だけではありません。借金額や収入の状況によっては、財産を手放さずに月々の返済額を減らす任意整理や個人再生が適しているケースもあります。各手続きの違いと選び分けは、債務整理の種類比較で整理しています。
どの手続きが適しているかは、借金の総額・収入・財産の状況によって異なります。返済のための借入を繰り返す状態に入っているなら、金額の大小にかかわらず、早めに専門家へ相談して返済の見通しを確認することをおすすめします。
自己破産を含めた相談先を費用・実績で比較したい方は、自己破産の相談先を比較するをご覧ください。
よくある質問
まとめ:カードローンの借金は自己破産で解決できる
カードローンの借金は、銀行系・消費者金融系を問わず自己破産の対象です。支払不能の状態にあり、裁判所が免責を認めれば、返済義務は原則なくなります。
当サイトの調査では、自己破産経験者の81.0%が消費者金融、41.0%が銀行カードローンを借入先に挙げ、複数社借入の83.0%は「返済のための借入」または「限度額不足」が理由でした。また、68.0%は借金総額500万円未満の段階で自己破産を決断しています。
自己破産後は信用情報への登録(5〜7年)やクレジットカードの利用停止などの影響が生じますが、期間が過ぎれば生活の再建は可能です。返済のために借入を繰り返す状態になっているなら、早めに専門家へ相談し、自己破産を含めた解決方法の選択肢を確認しましょう。
