
複数社からの借入を1社にまとめる「おまとめローン」は、返済管理の簡素化や金利の引き下げが期待できる一方、返済期間の長期化で総返済額が増える・追加借入ができなくなるといったデメリットもあります。
この記事では、おまとめローンのデメリット5つとメリット、審査で見られるポイント、そして「おまとめローンで解決できない場合に選べる債務整理」との比較までをまとめて解説します。
「借金を一本化すべきか、それとも別の方法があるのか」を判断するための情報を、フラットに整理しました。借入状況に合った選択をするための参考にしてください。
おまとめローンとは?仕組みをわかりやすく解説

おまとめローンとは、複数の金融機関やカードローンからの借入を、1つの借入先にまとめるためのローン商品です。
仕組みはシンプルで、新たに契約した金融機関から融資を受け、そのお金で既存の借入先すべてを完済します。以後は、おまとめ先の1社にのみ返済を続ける形になります。
おまとめローンは大きく2種類に分かれます。
銀行系おまとめローン(東京スター銀行・横浜銀行・みずほ銀行など)は金利が年1.5%〜15.0%程度と低い反面、審査は厳しめで融資までに時間がかかる傾向があります。
消費者金融系おまとめローン(アイフル・プロミス・アコム・SMBCモビットなど)は金利が年3.0%〜18.0%程度とやや高いものの、審査が比較的柔軟で、最短即日の融資に対応しているケースもあります。
なお、おまとめローンは貸金業法における「総量規制」の例外貸付にあたります。通常、貸金業者からの借入は年収の3分の1までに制限されますが、おまとめローンは「利用者に一方的有利な借換え」と認められるため、この制限を超えて借入できる場合があります(参考:総量規制とは|日本貸金業協会)。
おまとめローンのデメリット5つ

おまとめローンは万能ではありません。申し込む前に知っておくべきデメリットを5つ解説します。
デメリット① 返済期間が延びると総返済額が増える
おまとめローンで月々の返済額を下げると、返済期間が延びます。期間が延びた分だけ利息がかさみ、結果的に支払う総額がおまとめ前より増えることがあります。
たとえば、借入総額200万円・金利15%のケースでシミュレーションすると次のようになります。
| 毎月返済額 | 返済期間 | 総返済額 | うち利息 |
|---|---|---|---|
| 約4.8万円 | 5年(60回) | 約285万円 | 約85万円 |
| 約3.5万円 | 7年(84回) | 約310万円 | 約110万円 |
月々の負担を約1.3万円下げた代わりに、利息は約25万円増えます。毎月の返済額と総返済額のバランスを事前にシミュレーションすることが重要です。
デメリット② 追加の借入ができなくなる
おまとめローンは「完済を目的とした返済専用商品」であるため、契約後は原則として追加借入ができません。
通常のカードローンであれば限度額内で繰り返し借入・返済ができますが、おまとめローンでは一度きりの融資です。急な出費が発生しても、おまとめ先から追加で借りることはできないのが一般的です。
さらに、おまとめローン契約中に他社から新たに借入を行うと、契約違反として一括返済を求められるリスクもあります。どうしてもお金が必要になった場合は、他社から借りる前にまずおまとめ先に相談してください。
デメリット③ 金利が下がらないケースがある
おまとめローンに切り替えても、元の借入先より金利が高くなる場合があります。
特に多いのが、もともと銀行カードローン(年2%〜14%台)を利用していた場合に、消費者金融のおまとめローン(年15%〜18%)に借り換えてしまうケースです。この場合、金利は下がるどころか上がります。
おまとめローンは「複数社の借入を1社にまとめること」が主目的であり、「金利が必ず下がること」が保証されているわけではありません。申込前に、現在の各借入先の金利とおまとめ後の金利を必ず比較してください。
デメリット④ 審査のハードルが高い
おまとめローンは融資額がまとまった金額になるため、通常のカードローンより審査は厳しくなる傾向があります。
審査で確認される主な項目は次のとおりです。
- 返済能力:年収、雇用形態(正社員・派遣・パート)、勤続年数
- 信用情報:借入件数、借入総額、延滞・滞納履歴、過去の金融事故(自己破産・任意整理など)
- 生活基盤:住居形態(賃貸・持ち家)、家族構成
借入件数が多すぎる場合や、直近で延滞がある場合は審査に通らないこともあります。不安な場合は、CICやJICCなどの信用情報機関でご自身の信用情報を事前に確認しておくとよいでしょう。
なお、消費者金融系は銀行系に比べて現在の返済能力を重視する傾向があり、審査が比較的柔軟とされています。ただし、「審査が甘い」「必ず借りられる」おまとめローンは存在しません。
デメリット⑤ 根本的な借金問題の解決にならない場合がある
おまとめローンは「借入先を整理する」仕組みであり、借金の元本そのものは1円も減りません。返済管理は楽になりますが、借入総額は同じまま(場合によっては利息分が上乗せ)です。
そのため、すでに返済が厳しい状態にある場合や、収入に対して借入総額が大きすぎる場合は、おまとめローンで一時的に月々の負担を下げても、根本的な解決にはなりません。
「おまとめローンを組んだ後、返済が苦しくなって結局債務整理に至った」というケースは、弁護士・司法書士の現場では珍しくありません。
→ 関連記事:借金を返せない末路とは?対処法とやってはいけないNG行動
おまとめローンのメリット3つ
デメリットだけでなく、おまとめローンにはもちろんメリットもあります。
メリット① 返済先が1社になり管理が楽になる
複数社への返済は、返済日・返済額・返済方法がバラバラで管理が煩雑です。
おまとめローンで1社にまとめれば、返済日は月1回、振込先も1か所になります。返済忘れによる延滞リスクも減り、精神的な負担も軽くなります。
メリット② 金利が下がる可能性がある
利息制限法により、借入額が大きくなるほど上限金利は低くなります(100万円以上は年15%以下)。たとえば3社から各50万円(年18%)を借りている場合、150万円を1社にまとめれば上限金利は年15%以下に下がります。
この差は大きく、200万円の借入なら年3%の金利差で年間約6万円の利息軽減になります。
メリット③ 返済計画を立て直せる
おまとめをきっかけに、毎月の返済額・返済期間を見直すことで、無理のない返済計画を立て直す機会になります。ただし、前述のとおり返済期間を延ばしすぎると総返済額が増えるため、バランスが大切です。
おまとめローンの審査で見られるポイントと通りやすくするコツ
おまとめローンの審査で特に重視されるのは「返済能力」と「信用情報」です。
審査に通りやすくするためのポイントとしては、次の3つがあります。
1. 使っていないクレジットカードのキャッシング枠を解約する 枠があるだけで「借入可能額」として審査上カウントされることがあります。使っていないなら解約しておくのが得策です。
2. 申込先は1社に絞る 複数社に同時に申し込むと「申込ブラック」と見なされ、審査に悪影響を及ぼす場合があります。
3. 申込情報は正確に記入する 年収や借入件数を偽ると、信用情報との照合で不一致が判明し、審査落ちの原因になります。
銀行系と消費者金融系の審査傾向の違い
| 項目 | 銀行系 | 消費者金融系 |
|---|---|---|
| 金利 | 年1.5%〜15%程度 | 年3.0%〜18%程度 |
| 審査の傾向 | 厳しめ(属性重視) | 比較的柔軟(返済能力重視) |
| 融資スピード | 数日〜1週間程度 | 最短即日 |
| 借入上限 | 500万〜1,000万円 | 300万〜800万円 |
銀行系の審査や口コミについては「東京スター銀行おまとめローンの口コミ・体験談|審査は厳しい?」で詳しく解説しています。
消費者金融系の具体的な条件は「アイフルのおまとめローンとは?審査・体験談・一括請求リスクまで」や「プロミスのおまとめローンは審査が厳しい?」を参照してください。
おまとめローンと債務整理はどっちがいい?比較で判断
「おまとめローン デメリット」を調べている方の中には、「そもそもおまとめローンではなく債務整理の方が合っているのでは?」と迷っている方も少なくありません。
両者は目的が根本的に異なります。
| 比較項目 | おまとめローン | 任意整理(債務整理の一種) |
|---|---|---|
| 借金の元本 | 減らない(全額返済が前提) | 将来利息をカットし元本のみ返済 |
| 月々の返済額 | 下がる可能性あり | 下がることが多い |
| 総返済額 | 増える場合あり | 減る(将来利息ゼロ) |
| 信用情報への影響 | なし | ブラックリスト登録(5年程度) |
| 審査 | あり(通らない場合も) | なし(弁護士・司法書士が交渉) |
| 追加借入 | 原則不可 | 完済まで不可 |
| 向いている人 | 返済能力に余裕があり、金利を下げたい人 | 返済が厳しく、利息負担を根本的に減らしたい人 |
判断の目安
- 借入総額が年収の3分の1以内に収まっている
- 延滞なく返済を続けられている
- 金利を下げれば無理なく完済できる見込みがある
- おまとめローンの審査に通らなかった
- 月々の返済が収入の3分の1を超えている
- 既に延滞が発生している、または延滞が迫っている
- 借金の元本そのものを減らさないと完済の見込みが立たない
おまとめローンは「借入先を整理する」手段であり、債務整理は「返済条件を法的に見直す」手段です。どちらが正解かは借入状況によって異なるため、迷っている場合は弁護士・司法書士の無料相談を利用して、客観的に判断してもらうことをおすすめします。
→ 関連記事:債務整理とは?仕組み・種類・メリット・デメリットを完全ガイド / 任意整理とは?メリット・デメリットと流れ・期間・費用
おまとめローン利用時の注意点
事前に返済シミュレーションを必ず行う
金利が下がっても返済期間が延びれば総返済額は増えます。各金融機関の公式サイトにあるシミュレーションツールで、月々の返済額だけでなく総返済額も確認してください。
返済方法を確認する
おまとめローンの融資金は、金融機関が直接既存の借入先に返済する方式と、利用者の口座に振り込まれる方式があります。後者の場合、手元に入ったお金を使い込んでしまうリスクがあるため注意が必要です。
完済した借入先のカードは解約する
おまとめ後も旧借入先のカードを持っていると、再び借入してしまう危険があります。おまとめローンの契約条件として旧契約の解約を求められる場合もありますが、条件になくても自主的に解約するのが安全です。
よくある質問(FAQ)
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| おまとめローンとは | 複数の借入を1社にまとめるローン商品 |
| 主なデメリット | 返済期間延長で総額増、追加借入不可、金利が下がらないケースあり、審査が厳しい、元本は減らない |
| 主なメリット | 返済先が1社に、金利が下がる可能性、返済計画の見直し |
| 審査のポイント | 返済能力(年収・雇用形態)と信用情報が重視される |
| 債務整理との違い | おまとめは「借入先の整理」、債務整理は「返済条件の法的見直し」 |
| 判断の基準 | 金利を下げれば完済できる→おまとめ、元本を減らさないと無理→債務整理 |
借金の返済方法に正解はひとつではありません。大切なのは、自分の借入状況を客観的に把握し、無理のない方法を選ぶことです。
おまとめローンが合う状況もあれば、債務整理の方が適している状況もあります。迷ったときは、ひとりで判断せず専門家に相談することで、最適な選択肢が見つかります。→ 債務整理のおすすめ事務所を比較する
