保証人に勝手にされたら?支払いを求められた時の対処と「無効」になる条件

借金の保証人・連帯保証人になってくれと頼まれたら?

「連帯保証人に勝手にされた」と言われると、急に請求が来て焦りやすいですが、まず確認すべきは “本当に保証契約が成立しているか” です。

連帯保証は、本人が同意してはじめて成立し、原則として 書面または電磁的記録(電子同意など) が必要です。

この記事では、支払いを急ぐ前に 契約書(電子同意含む)の確認→署名押印の否認→必要なら公正証書の有無 という順で、取るべき手順を整理します。

まず結論

勝手に保証人(連帯保証人)にされたなら「支払い前に確認」が最優先

連帯保証人は、本人が保証契約に同意してはじめて成立します。

また、保証契約は原則として 書面または電磁的記録(電子同意など) がないと効力を生じません。

そのため「自分は同意していない」「署名押印が偽造かもしれない」場合は、支払いを急がず 契約の成立(証拠)を先に確認してください。

目次

勝手に保証人にされたかも?まずやること5つ

借金の保証人に勝手にされたら?

1) 債権者に「保証契約の写し」を請求する(電子同意も含む)

まずは、債権者(金融機関・保証会社・貸金業者など)に次を求めます。

  • 保証契約書(または申込書・同意書等)の写し
  • 電子同意の場合:同意日時・同意方法・本人確認方法が分かる資料
  • 契約日/契約内容(保証の範囲、根保証なら極度額など)

※保証契約は書面性が要件とされており、保証人保護の趣旨があります。

2) 署名・押印が「自分のものではない」なら、はっきり否認する

契約書が出てきたら、署名や押印、住所、生年月日などを確認します。

心当たりがない場合は、「自分は保証契約をしていない」と明確に伝え、やり取りはできるだけ記録(書面・メール)で残します。

3) 事業用の借入なら「公正証書が必要なケース」を確認する

主債務が事業用融資などの場合、個人が保証人になるときに 保証意思宣明公正証書 が必要になる場合があります。

公正証書の作成は、原則として 保証予定者本人が公証役場で意思を述べて作成します(代理は不可などの注意点あり)。

4) うっかり「追認」になり得る行動を避ける

心当たりがない段階で、

  • 一部でも支払う
  • 「分割なら払います」など支払い前提の合意をする
  • 新しい書面に署名する

    と、相手に“認めた”と解釈されるリスクがあります。まずは証拠確認を優先します。

5) 裁判所から書面が届いたら「期限」を最優先

支払督促や訴状など、裁判所からの書面は期限があるため、放置しないでください。この段階は個別事情で分岐するので、専門家に早めに確認するのが安全です。

保証人と連帯保証人の違い(1分で整理)

  • 保証人:「まず主債務者へ請求してほしい」などの主張ができることがある
  • 連帯保証人:主債務者と同等に請求され得る(先に主債務者へ、とは言いにくい)

※ただし、契約条項や借入の種類で実務の運用は変わるため、契約書の確認が前提です。

連帯保証人になれる人・なれない人(“法律上”と“審査上”を分ける)

保証人になる条件 年齢制限

法律上、無効・取消しになりやすい例

  • 未成年:原則として法定代理人の同意が必要(同意がなければ取り消しの余地)
  • 成年被後見人:単独で有効な法律行為ができない
  • 意思能力がない状態(重度の認知症など):無効となり得る
  • 事業用融資で、公正証書が必要なのに作成されていないケース
  • 個人根保証で極度額の定めがないなど、方式要件を欠くケース

審査上、断られやすい例(「できない」ではなく「通りにくい」)

  • 収入がない/雇用が不安定/すでに借入が多い 等
  • 信用情報の状況(金融機関の保証人審査で確認されることがある)
  • 高齢などで返済能力の見込みが薄い と判断される場合

まとめ

「勝手に保証人にされた」と言われたときは、焦って支払うより先に、①保証契約の写し(電子同意含む)を入手 → ②署名押印・本人確認の経緯を確認 → ③事業用なら公正証書の要否を確認の順で整理するのが安全です。

よくある質問(FAQ)

連帯保証人に「勝手にされたかも」と思ったら、まず何をすればいい?

支払い前に、債権者に「保証契約の証拠」を出してもらうのが先です。

保証契約書の写し(電子同意なら同意日時・同意方法・本人確認の記録)を取り寄せて、契約の成立を確認します。

書面(契約書)がないと言われました。本当に連帯保証人になっている可能性はある?

まずは「契約書(または電子同意の記録)」の提示を求めて確認します。

保証契約は証拠が重要で、書面・記録が出てこないなら、請求側が立証できないこともあります(ただし個別事情で変わります)。

署名や押印が自分のものではない気がします。どう対応する?

「自分は同意していない」「署名押印は自分のものではない」と明確に否認し、やり取りは記録に残します。支払い・分割合意・新たな署名などは、誤解を生むことがあるので慎重に。

電子契約(スマホで同意)でも連帯保証人になりますか?

なる場合があります。

ただし、同意した日時・方法・本人確認の手段などが確認できるかがポイントです。心当たりがなければ、その記録の提示を求めて確認します。

事業用の借入(会社の借金など)でも「勝手に保証人」にされることはある?

事業用の個人保証は、追加の手続(公正証書が必要になる等)が関係するケースがあります。

借入の種類によって要件が変わるため、「主債務が何か(事業用か生活用か)」をまず整理します。

請求が来ています。とりあえず払わないとダメ?

心当たりがないなら、支払いを急ぐ前に契約成立の確認が先です。

ただし、裁判所からの書面(支払督促・訴状など)が届いている場合は期限があるので放置しないでください。

裁判所から「支払督促」や「訴状」が届いたらどうすれば?

期限の確認が最優先です。

無視すると不利になる可能性があります。内容(請求額・根拠・契約書の有無)を確認し、必要なら早めに専門家へ確認します。

「勝手に保証人にされない」ためにできる予防策は?

印鑑・本人確認書類の管理と、安易な署名・電子同意をしないことが基本です。

家族間でも「実印・印鑑登録証明書・本人確認書類」を渡さない、署名依頼に即答しない、が有効です。

次に読む

参考(外部リンク)

法務省:保証契約は書面性が必要(民法の解説)
https://www.moj.go.jp/content/000094816.pdf
e-Gov法令検索:民法(保証契約・根保証など)
https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
日本公証人連合会:保証意思宣明公正証書(事業用保証など)
https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow05_2
(補助)信金の解説PDF:保証意思宣明公正証書の要否の整理
https://www.shinkin.co.jp/kamo/info/civil_code/pdf/civil_code01.pdf

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