債務整理中に借入するとバレる?任意整理への影響とお金が必要なときの対処法

債務整理中に借入するとばれる?
執筆者:大泉 聡

結論からいうと、債務整理中の借入は、審査や手続きの過程で発覚する可能性があります。

貸金業者は信用情報を確認して審査を行うため、「絶対にバレない」とは言えません。とくに任意整理中は、これ以上借金を増やさずに返済計画を立てることが前提なので、新たな借入は家計再建を難しくするおそれがあります。

そのため、債務整理中の借入は「バレるかどうか」だけでなく、「借りたあとに返済を続けられるか」まで含めて慎重に考える必要があります。

この記事では、債務整理中の借入がなぜバレる可能性があるのか、どんな不利益があるのか、どうしても生活費が足りないときは何を優先すべきかを順番に整理します。

債務整理全体を先に確認したい方は、債務整理とは何かもあわせてご覧ください。4種類の違いから見たい方は、債務整理の種類比較が入口です。

目次

結論:債務整理中の借入は「できるか」というより「避けるべき」こと

「債務整理中でも借りられるところ」「任意整理中でも借入できた」といった情報を探す人が多いですが、判断の軸はそこではありません。

大事なのは、今の家計を立て直せるかどうかです。

債務整理中に新たな借入をすると、毎月の返済負担が増え、任意整理の返済や生活費の確保がさらに難しくなります。結果として、和解どおりに払えなくなったり、再び返済相談が必要になったりするおそれがあります。

「借りられるかもしれない」よりも、「借りたあとに立て直せるか」で判断してください。

債務整理中でも借りられることはある?

結論として、債務整理中でも新たな借入が絶対に不可能とは言い切れません。ただし、一般には審査はかなり厳しく、安易に「借りられる」と考えるべきではありません。

理由は、貸金業者が審査で信用情報や現在の借入状況を確認するためです。とくに任意整理中は、これ以上借金を増やさずに返済計画を立てている途中なので、新たな借入は家計再建と相性がよくありません。

また、仮に少額の借入ができたとしても、それは安全に返済できることを意味しません。「借りられたかどうか」と「その後も無理なく返せるかどうか」は別問題です。

そのため、このページでは「どこなら借りられるか」を探すのではなく、借入の可否より先に、借りることで何が起こるのかを整理していきます。

債務整理中の借入がバレる可能性がある理由

1. 貸金業者は信用情報を確認するから

貸金業者は、指定信用情報機関を利用して借り手の借入残高を把握します。つまり、新たな申込みをした時点で、現在の借入状況や過去の取引状況が審査で確認される可能性があります。

債務整理中に申込みをした場合、「絶対にわからない」とは考えないほうが安全です。

2. 完済後でもすぐに信用情報が元に戻るわけではないから

「和解したからすぐ借りられる」「完済したらすぐ審査が通る」という理解は正確ではありません。

CICでは、クレジット情報は契約期間中および契約終了後5年以内と案内されています。JICCでも、契約継続中および契約終了後5年以内と案内されています。

情報の種類や契約状況によって異なりますが、少なくとも「整理後すぐに回復する」とは言いにくいのが実情です。

3. 任意整理では返済継続そのものが重視されるから

任意整理は、将来利息のカットや分割返済の和解を目指し、無理のない返済計画を立てる手続きです。その途中で新たな借入をすると、家計の前提が変わります。

依頼中の弁護士・司法書士に相談せず借入をすると、返済可能性の見立てがずれ、結果として手続きや返済継続に悪影響が出ることがあります。

任意整理の基本から見直したい方は、任意整理とはも確認しておいてください。

借入が発覚すると起こりやすいこと

1. 返済計画が崩れやすくなる

もっとも大きい問題はここです。

一時的に生活費を埋められても、翌月以降は「任意整理の返済」と「新しい借入の返済」が重なります。家計に余裕がない状態でこれが続くと、延滞や再滞納につながりやすくなります。

2. 債権者との交渉や和解後の返済に悪影響が出ることがある

任意整理は、「これ以上借金を増やさずに返済を続けること」を前提に進む手続きです。その途中で新たな借入があると、返済可能性の見立てがずれ、家計表や返済計画の見直しが必要になることがあります。

3. 滞納が続くと、一括請求や裁判に進む可能性がある

新たな借入で家計がさらに苦しくなると、和解どおりの返済が続けられなくなることがあります。滞納が続けば、残額の請求や法的手続きに進む可能性もあります。

4. 遅延損害金などで負担がさらに重くなるおそれがある

返済が遅れると、もともとの返済負担だけでなく、遅延損害金などが発生して状況が悪化しやすくなります。少額の借入でも、あとから家計全体を圧迫する原因になりかねません。

5. 専門家との方針にズレが生まれることがある

依頼中なのに相談せず借入をすると、今後の進め方を見直さなければならない場合があります。問題が小さいうちに、まず依頼中の弁護士・司法書士へ相談することが重要です。

任意整理の和解後・返済中はいつから借入を検討できる?

結論としては、和解直後や返済中は「借入を検討しやすい時期」とは言えません。

なぜなら、信用情報はすぐには消えず、完済後もしばらくは審査に影響する可能性があるからです。

そのため、目安としては次の順番で考えるのが安全です。

  1. まず任意整理の返済を遅れずに続ける
  2. 完済する
  3. その後、一定期間をおいて信用情報の登録状況を確認する
  4. 生活費不足が続かない家計に戻ってから必要性を再判断する

「いつから絶対に借りられる」とは言えません。勤務状況、収入、他社借入、信用情報の内容などで審査は変わるためです。

大切なのは、借入可能性の話を先にするのではなく、家計が安定したかを先に見ることです。

どうしてもお金が必要なときの対処法

1. まず依頼中の弁護士・司法書士に相談する

すでに債務整理を依頼しているなら、最初に相談すべき相手は依頼中の専門家です。

「今月だけ足りない」のか、「継続的に家計が回らない」のかで対応は変わります。支出の見直し、返済額の再調整、利用できる公的制度の案内など、借入以外の方法が見つかることもあります。

2. 公的支援を確認する

生活費が足りないときは、貸金業者を探す前に公的支援を確認してください。

生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度は、低所得者世帯などを対象とする公的な貸付制度です。相談窓口は市区町村社会福祉協議会です。

求職者支援制度・求職者支援資金融資

雇用保険を受給できない方などに向けて、月10万円の職業訓練受講給付金を受けながら無料の職業訓練を受けられる制度があります。

さらに、給付金だけでは生活費が不足する場合は、求職者支援資金融資が案内されており、上限は月5万円または月10万円です。

離職や収入減が背景にある方は、ハローワークに相談してください。

母子父子寡婦福祉資金貸付制度

ひとり親家庭や寡婦の方は、母子父子寡婦福祉資金貸付制度の対象になることがあります。対象者や資金の種類は決まっているため、まずはお住まいの市区役所または町村役場に相談してください。

生活保護

生活保護は貸付ではなく、生活に困窮する方に必要な保護を行い、最低限度の生活を保障する制度です。相談・申請窓口は、現在住んでいる地域を所管する福祉事務所です。

3. 地域の社会福祉協議会にも相談する

地域によっては、社会福祉協議会が寄附や物資の支援につなぐ仕組みを設けていることがあります。

善意銀行などの名称で案内される場合もありますが、内容は地域差が大きいため、全国共通の制度として考えるのではなく、住んでいる地域の社会福祉協議会に相談して確認してください。

4. 支出の優先順位を組み直す

お金が足りないときは、「どこで借りるか」より先に「何を止めるか」を整理する必要があります。

たとえば、次のような固定費は見直し候補になりやすいです。

  • サブスク
  • 通信費
  • 保険の重複
  • リボ払いの継続利用
  • 一時的に後ろ倒しできる支出

借入は一瞬で資金不足を埋めますが、翌月以降の支払いを増やします。まずは支出を切り分けてください。

やってはいけないこと

「バレない前提」で申し込むこと

貸金業者は信用情報を確認します。「少額なら大丈夫」「一社だけなら見つからない」といった考え方は危険です。

依頼中の専門家に黙って借りること

あとから家計表や返済計画の修正が必要になることがあります。迷った時点で先に相談してください。

SNSや口コミだけを根拠にすること

「借りられた」「通った」という体験談は、収入、他社借入、時期、信用情報の状態がわからないため、そのまま再現できません。判断材料としては弱いです。

よくある質問

債務整理中に借入しても絶対にバレませんか?

絶対にバレないとは言えません。貸金業者は指定信用情報機関を利用して借入残高を確認します。審査の過程で現在の借入状況や過去の情報が確認される可能性があります。

任意整理の和解後なら借入しやすくなりますか?

和解後すぐに借入しやすくなるとは言えません。

完済後もしばらくは信用情報の登録が続くことがあるため、少なくとも「和解した直後だから大丈夫」という考え方は避けたほうが安全です。

どうしても生活費が足りないときは何から相談すべきですか?

すでに依頼中なら、まず弁護士・司法書士に相談してください。そのうえで、生活福祉資金貸付制度、求職者支援制度、生活保護など、公的な相談先を確認してください。

まとめ

債務整理中の借入は、「できるかどうか」より「避けるべきかどうか」で考えるべきです。

とくに任意整理中は、これ以上借金を増やさず、今ある返済を続けることが大前提です。仮に借りられたとしても、返済計画が崩れれば家計再建は遠のきます。

お金が足りないときは、借入先探しを始める前に、次の順番で動いてください。

  1. 依頼中の弁護士・司法書士に相談する
  2. 公的支援が使えないか確認する
  3. 支出の優先順位を見直す

関連ページとして、基礎から確認したい方は債務整理とは何か、制度の違いを整理したい方は債務整理の種類比較、任意整理の基本を確認したい方は任意整理とはも参考にしてください。

参考にした一次情報

・[金融庁|貸金業法Q&A]
・[CIC|CICが保有する信用情報]
・[JICC|信用情報の内容と登録期間]
・[厚生労働省|生活福祉資金貸付制度]
・[厚生労働省|求職者支援制度のご案内]
・[厚生労働省|求職者支援資金融資のご案内(PDF)]
・[厚生労働省|生活保護制度]
・[厚生労働省|各種相談窓口・融資・給付制度等のご案内]

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