
自己破産を考えるとき、「年金が差し押さえられてしまうのか」「老後の生活はどうなるのか」と不安に感じる方は少なくありません。特に50歳以上の世代にとって、年金は老後の暮らしを支える大切な収入です。
結論から言えば、一般的な借金の自己破産では、年金が差し押さえられたり受給額が減ったりすることは原則ありません。年金を受け取る権利は法律で保護されているためです。
ただ今回、自己破産を経験した50歳以上の方に調査したところ、本当の不安は年金の受給そのものではなく、その先の「老後の生活設計」や「相談時に十分な説明を受けられたか」にあることが見えてきました。
年金を含め、自己破産で残せる財産・取られる財産の範囲は自己破産しても残せる財産とは?自由財産の範囲をわかりやすく解説で整理しています。
そこで今回、調査回答時に自己破産の手続きを行った経験がある50歳以上のモニター100人を対象に、「自己破産と年金」に関する実態を調査しました。
調査概要:「自己破産と年金」に関する調査
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査期間 | 2026年6月11日(木)〜2026年6月13日(土) |
| 調査方法 | インターネット調査 |
| 調査人数 | 100人 |
| 調査対象 | 調査回答時に自己破産の手続きを行った経験がある50歳以上と回答したモニター |
| 調査元 | 株式会社cielo azul 債務整理相談ナビ |
| モニター提供元 | サクリサ |
年金受給への影響を実感した人は少数——「影響なし」と「受給前」で8割超
はじめに、自己破産の手続きで年金受給への影響があったかを尋ねたところ、以下の結果となりました。
| 回答 | 割合 |
|---|---|
| 年金受給額に影響はなかった | 48.0% |
| 手続き当時はまだ受給前だった | 33.0% |
| よくわからなかった | 9.0% |
| 差し押さえられるのではないかと不安だった | 8.0% |
| 年金から強制返済が引かれていたが止まった | 2.0% |

「年金受給額に影響はなかった(48.0%)」が最も多く、「手続き当時はまだ受給前だった(33.0%)」と合わせると、8割以上が年金の受給そのものに影響を感じていませんでした。
「差し押さえられるのではないかと不安だった(8.0%)」という回答もありますが、年金を受け取る権利は法律で保護されています。
国民年金法第24条と厚生年金保険法第41条は、年金給付を受ける権利について「譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない」と定めています。そのため、一般的な借金の自己破産では、年金が差し押さえられたり受給額が減ったりすることは原則ありません(税金や社会保険料の滞納処分による差押えは例外です)。
制度を正しく知れば、過度に恐れる必要のない不安だったといえます。出典:国民年金法 第24条(e-Gov法令検索)/厚生年金保険法 第41条(e-Gov法令検索)
注目したいのは「年金から強制返済が引かれていたが止まった(2.0%)」です。年金そのものが差し押さえられていたわけではなく、年金を原資にした返済を続けていた方が、自己破産によってその負担から解放されたケースと考えられます。
返済に追われて手元に年金が残らなかった状態から、自己破産が生活の立て直しにつながった層といえます。
年金が自己破産でどう扱われるか、差し押さえや受給への影響の詳細は自己破産したら年金はどうなる?受給・差し押さえへの影響を解説で詳しく解説しています。
本当の不安は「年金だけで生活できるか」が41.0%、一方で15.0%は「不安はなかった」
次に、自己破産後の老後や生活費について、どのような不安があったかを尋ねたところ(複数回答)、以下の結果となりました。
| 回答 | 割合 |
|---|---|
| 年金だけで生活できるか | 41.0% |
| 生活費全般 | 38.0% |
| 老後資金が不足すること | 36.0% |
| 住居費の負担 | 27.0% |
| 生活保護への移行を考えた | 23.0% |
| 家族への負担 | 20.0% |
| 再就職・収入確保の不安 | 19.0% |
| 預貯金が減ること | 18.0% |
| 医療費や介護費用 | 16.0% |
| 特に不安はなかった。または意外と生活は安定した | 15.0% |
| その他 | 1.0% |

最も多かったのは「年金だけで生活できるか(41.0%)」で、「生活費全般(38.0%)」「老後資金が不足すること(36.0%)」が続きました。年金の受給そのものより、年金を含めた老後の家計が成り立つかという、将来の生活設計に不安が集まっています。
「生活保護への移行を考えた(23.0%)」も2割を超えました。生活保護を受けながら自己破産ができるかどうかは生活保護を受けていても自己破産できる?費用やデメリット、手続きの流れも解説で解説しています。
一方で「特に不安はなかった。または意外と生活は安定した(15.0%)」との回答もあり、手続き後の生活を落ち着いて受け止めている人も一定数いることが分かりました。
相談時に老後の説明を「まったく受けなかった」が35.0%で最多
最後に、自己破産の相談時に、年金や老後の生活設計について説明やアドバイスを受けたかを尋ねたところ、以下の結果となりました。
| 回答 | 割合 |
|---|---|
| まったく説明を受けなかった | 35.0% |
| 十分な説明やアドバイスを受けた | 24.0% |
| ある程度説明を受けた | 16.0% |
| あまり説明を受けなかった | 15.0% |
| 弁護士・司法書士に相談していない | 10.0% |

最も多かったのは「まったく説明を受けなかった(35.0%)」でした。
「十分な説明やアドバイスを受けた(24.0%)」「ある程度説明を受けた(16.0%)」を合わせると40.0%が何らかの説明を受けた一方、「あまり説明を受けなかった(15.0%)」も含めると、説明が十分でなかったと感じた人も少なくありません。
年金の受給そのものは自己破産で守られていても、その先の老後の生活設計まで見据えた相談ができるかどうかは、相談先によって差があることがうかがえる結果です。
まとめ:自己破産は年金受給に影響せず、本当の論点は老後の生活設計
| 調査項目 | 結果 |
|---|---|
| 年金受給額に影響はなかった | 48.0% |
| 手続き当時はまだ受給前だった | 33.0% |
| 老後の不安1位:年金だけで生活できるか | 41.0% |
| 相談時にまったく説明を受けなかった | 35.0% |
今回の調査では、自己破産を経験した50歳以上の方の8割以上が、年金の受給そのものへの影響を実感していませんでした。一般的な借金の自己破産では、年金は制度的に守られており、受給額が減ることは原則ありません。返済の原資が年金だった方にとっては、むしろ自己破産がその負担からの解放につながっていました。
一方で、本当の不安は「年金だけで生活できるか(41.0%)」という老後の生活設計にあり、さらに相談時にその点まで説明を受けられなかった人が35.0%にのぼりました。
自己破産は年金の受給そのものに悪影響を与えるものではありません。その先の老後の暮らしまで見据えて相談できるかどうかが、相談先選びの分かれ目になるといえます。
年金が自己破産でどう扱われるか、差し押さえや受給への影響の詳細は自己破産したら年金はどうなる?受給・差し押さえへの影響を解説で詳しく解説しています。
- 自己破産の仕組み・流れ・費用については自己破産とは?条件・流れ・デメリット・費用までわかりやすく解説をご覧ください
- 自己破産で年金を含む財産がどこまで残せるかは自己破産しても残せる財産とは?自由財産の範囲をわかりやすく解説で詳しく解説しています。
- 自己破産の相談先を費用・実績で比較したい方は自己破産の相談先を比較するをご覧ください。
