
「プロミスから過去に借りていたが、過払い金は発生しているのか」「実際に請求した人はどうだったのか」―過払い金請求を検討するうえで、こうした疑問を持つ方は少なくありません。
プロミスは2007年12月19日に金利を引き下げており、それ以前にプロミスから借入をしていた方は、払いすぎた利息(過払い金)が発生している可能性が高い状態です。
プロミスは三井住友銀行グループ(SMBCコンシューマーファイナンス)として経営基盤が安定しているため、過払い金請求への対応は他社と比べて比較的スムーズに進む傾向があります。
本記事では、当編集部が30人超の弁護士・司法書士に取材した内容と、各事務所が公開している実例を整理し、プロミスの過払い金請求における返還率の傾向、回収までの期間、対象となる借入時期、請求の流れを解説します。
プロミスの過払い金請求の基本的な傾向
プロミスは三井住友銀行グループ系列の貸金業者で、経営基盤が安定しています。過払い金返還損失引当金も毎期計上しており、過払い金請求への対応は比較的良好です。
弁護士・司法書士の体験談から見えるプロミスの対応
当編集部が確認した複数の弁護士・司法書士事務所の公開情報を整理すると、プロミスの過払い金請求には次のような傾向が見られます。
八戸シティ法律事務所の見解:プロミスは大手銀行がバックにいることもあり、過払い金返還請求への対応が比較的良好。訴訟を提起すれば過払い金の満額近い金額で和解できることが多く、依頼から4〜5か月程度で回収が完了する印象。
町田総合法律事務所の見解:訴訟前の任意交渉であれば過払い金元金の約7割が5か月後の返還となる。訴訟提起すれば過払い金満額の返還に応じるが、返還までの期間はやや長くなる傾向がある。大手消費者金融の中では過払い金を回収しやすい会社。
ベリーベスト法律事務所の見解:任意交渉の場合、引き直し計算で算出された過払い金の70%〜80%程度となることが多い。
プロミスは経営が安定し資金も潤沢と考えられることから、他の消費者金融業者と比べても比較的多くの過払い金が返還される。
司法書士法人杉山事務所の見解:任意交渉の場合、プロミスからの返還率は70%前後となることが多く、これは他社と比較して高い返還率。回収までの期間は約4か月。
一方、裁判を起こせばプロミスから過払い金の全額に加え、過払い金に対する利息まで取り戻せることがある。
ただし回収までの期間は約6か月で、裁判を起こす事務手数料も発生する。確実に全額を回収したいなら裁判、迅速性や手軽さを優先するなら任意交渉が選択肢になる。
体験談から見える共通認識
各事務所の体験談はおおむね一致しており、「資金基盤が安定しているため対応が比較的スムーズ」という点が共通認識として浮かび上がります。
プロミスの過払い金返還率と回収までの期間
過払い金請求は、和解交渉で済ませるか裁判(訴訟)まで進めるかで、返還率と期間が変わります。
| 項目 | 和解交渉 | 裁判(訴訟) |
|---|---|---|
| 返還率の目安 | 過払い金元金の70〜80%前後 | 過払い金元金のほぼ100%+利息 |
| 返還までの期間の目安 | 約4か月 | 約6か月 |
| 手間 | 比較的少ない | 裁判の事務手続きが発生 |
| 推奨されるケース | 早期解決・手軽さを優先 | 全額回収を優先 |
判断のポイント
早期解決を優先する場合は和解交渉。プロミスの場合、和解交渉でも他社より高めの返還率(70〜80%)が期待できるため、4か月程度で7〜8割を取り戻せる選択肢として現実的です。
全額回収を優先する場合は裁判。プロミスは資金基盤が安定しており、裁判まで進めば過払い金の100%に加え、それに対する利息まで取り戻せる可能性があります。ただし回収まで6か月程度を要し、裁判事務手数料も発生します。
返還率や期間は個別事情・取引履歴によって変動するため、上記はあくまで目安です。最終的な見通しは取引履歴の引き直し計算後に専門家から提示されます。
プロミスの過払い金はいつからの借入が対象か
過払い金が発生しているかどうかは、借入時期が決定的な判断材料になります。
対象となる借入時期
プロミスは2007年12月19日に金利を引き下げました。
それ以前は出資法の上限金利(当時29.2%)と利息制限法の上限金利(15〜20%)の差がいわゆる「グレーゾーン金利」として存在しており、プロミスの当時の金利は25.55%で利息制限法を超えていました。
| 業者 | 過払い金が発生する可能性のある借入時期 |
|---|---|
| プロミス | 2007年12月18日以前 の借入 |
| ポケットバンク(三洋信販) | 2008年4月20日以前 の借入 |
| クラヴィス(旧タンポート・旧クオークローン) | 2007年9月以前にクラヴィスで借入し、かつ2007年9月までにプロミスへ契約移行している |
注意点
ポケットバンクやクラヴィスからの債権譲渡の場合は要確認:契約移行ではなく単純な債権譲渡を受けた場合、過払い金返還を受けられない可能性があります。判断には取引履歴の精査が必要です。
SMBCコンシューマーファイナンスへの請求:プロミスは現在「SMBCコンシューマーファイナンス株式会社」に社名変更していますが、過払い金請求は同社に対して行うことになります。
自分が対象かどうかの確認方法
借入時期がはっきり覚えていない場合、プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)に取引履歴の開示請求をすることで確認できます。
専門家に依頼すれば、開示請求から引き直し計算まで一括で進めてくれます。多くの弁護士・司法書士事務所は、過払い金の有無確認だけであれば無料で対応しています。
プロミスへの過払い金請求の流れ
正式に弁護士・司法書士に依頼すれば、すべて専門家が代行してくれますが、全体の流れを理解しておくと相談がスムーズに進みます。
ステップ1|取引履歴の開示請求
プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)に取引履歴の開示を請求します。借入日、借入期間、借入金利を正確に把握しなければ過払い金の計算ができません。開示請求から取引履歴の入手まで、通常2〜3週間かかります。
ステップ2|過払い金の引き直し計算
取引履歴をもとに、利息制限法の上限金利で引き直し計算を行い、過払い金が発生しているかどうかを算出します。返済中の場合でも、過払い金の金額次第では今後の返済が不要になる可能性があります。
ステップ3|過払い金返還請求書の通知
過払い金が発生していれば、プロミスに過払い金返還請求書を郵送します。通常、プロミスから2〜3週間で連絡があり、返還額の提示が行われます。
ステップ4|和解交渉
プロミスからの提示額をもとに、和解交渉を進めます。プロミス側は返還額を抑えたい立場のため、ここでの交渉が返還率を左右します。
ステップ5|訴訟提起(和解で合意できない場合)
和解交渉で妥結した金額に納得できない場合は、訴訟を提起して裁判で決着をつけます。裁判中もプロミス側が折れて和解に至るケースもあります。
ステップ6|過払い金の返還
和解交渉または裁判で決着した過払い金が返還されます。
プロミスへの過払い金請求のデメリット
過払い金が戻れば借金が減る、または返済中の借金がなくなる可能性がある一方で、いくつかのデメリットがあります。
デメリット①|プロミスから将来借入ができなくなる
プロミスに過払い金請求を行うと、プロミスの社内ブラックに記録され、無期限で新規借入ができなくなる可能性があります。
これはプロミスの社内データのみの話で、信用情報機関のブラックリストとは別ものです。他社からの借入には影響しません。
デメリット②|借金が残った状態での請求はブラックリストの対象に
過払い金請求は、原則として信用情報機関のブラックリストには登録されません。しかし、プロミスの借入残高が過払い金額を上回る場合は注意が必要です。
借入残高が過払い金で相殺しきれず借金が残ると、過払い金が返済分に充当されたうえで「任意整理」として処理されます。任意整理は債務整理の一種であるため、信用情報機関に5年間事故情報として記録されます。これがいわゆるブラックリスト状態です。
ブラックリストに登録される可能性がある人とない人の区別は次の通りです。
| 状況 | ブラックリスト |
|---|---|
| すでに完済している | 登録されない |
| 借入残高 < 過払い金額(相殺後ゼロ) | 登録されない |
| 借入残高 > 過払い金額(借金が残る) | 登録される可能性あり |
返済中の借金について過払い金請求を行う場合は、ブラックリスト登録の可能性を理解したうえで、タイミングを専門家に相談してから進めてください。
過払い金請求ができなくなるケース
過払い金が発生していても、以下の状況では請求できない、または困難になります。
過払い金の時効が成立している
過払い金の返還請求権は、最後の取引日(多くの場合は完済日)から10年で時効が成立します。完済から10年経過すると、過払い金が発生していても取り戻すことはできません。
完済時期がはっきり覚えていない場合は、取引履歴で確認できます。時効が近い場合は早めの相談が必要です。
示談書で過払い金請求権を放棄している
返済が厳しい時期にプロミスから示談書を提示され、利息のカットや返済額の減額を受けた経緯がある方は注意が必要です。
示談書に「プロミスとの間に何らの債権債務関係のないことを確認する」旨の記載があった場合、過払い金請求権を放棄したとみなされ、請求が困難になる可能性があります。
過去の書類が残っている場合は、専門家への相談時に提示してください。
プロミスが倒産した場合
プロミスが倒産すれば過払い金請求はできなくなります。
現在のプロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)は三井住友銀行グループ傘下で経営基盤が安定しているため倒産リスクは低いと考えられますが、過払い金が発生している可能性がある方は早めに動くほどリスクを減らせます。
借金が残っていて過払い金で相殺しきれない場合の選択肢
引き直し計算の結果、借入残高が過払い金を上回り借金が残るケースでは、過払い金請求と並行して債務整理を検討する場面が出てきます。
債務整理は、法律に基づいて借金を減額または免除する手続きの総称で、以下の4種類があります。
- 任意整理:将来利息をカットし、3〜5年で分割返済する手続き
- 個人再生:借金を最大1/5〜1/10に減額し、原則3年で返済する手続き
- 自己破産:返済不能を裁判所に認めてもらい、借金を全額免除する手続き
- 特定調停:簡易裁判所を介して債権者と返済条件を協議する手続き
借金総額・収入・財産状況・家族構成によって最適な手続きは異なります。過払い金請求と債務整理は併せて検討するべき場面が多く、両方に対応できる弁護士・司法書士に相談するのが効率的です。
関連記事
よくある質問
まとめ
プロミスの過払い金請求は、三井住友銀行グループの資金基盤の安定性から、他の消費者金融に比べて対応がスムーズな傾向があります。
和解交渉なら過払い金元金の70〜80%が約4か月で返還、裁判まで進めれば100%+利息が約6か月で返還される見通しです。
対象となるのは2007年12月18日以前の借入が中心で、最後の取引から10年経過すると時効が成立する点に注意してください。完済済みであればブラックリストに載るリスクはありませんが、借入残高が過払い金を上回って借金が残る場合は任意整理扱いとなる可能性があります。
過払い金が発生している可能性がある方は、まず取引履歴を開示請求し、専門家による引き直し計算で正確な金額を把握するところから始めてください。多くの弁護士・司法書士事務所は、過払い金の有無確認だけであれば無料で対応しています。
