自己破産後の携帯、端末の分割購入が「できた」は69%—経験者100人の実態調査

自己破産の手続き完了後、携帯電話の契約や端末の契約・分割購入について教えてください
執筆:大泉 聡(弁護士・司法書士に取材)

自己破産を検討するとき、「スマホが使えなくなるのではないか」という不安を抱く方は少なくありません。

携帯電話は連絡手段であるだけでなく、銀行アプリ・二段階認証・行政手続きにも使われる生活インフラです。手続きのあとに契約できるのか、端末は分割で買えるのかは、多くの方にとって切実な問題です。

実際には、携帯の「回線契約」と「端末の分割購入(割賦契約)」は別の契約であり、それぞれ受ける影響も異なります。仕組みの詳細は自己破産で携帯が分割中だとどうなる?ソフトバンク・ドコモ・auの解約と端末の扱いで整理しています。

では、自己破産の手続きを終えた方は、実際に携帯電話を契約できたのでしょうか。

そこで今回、自己破産の手続きを完了し、その後に携帯電話の契約や端末の分割購入を申し込んだ経験がある100人を対象に、契約の可否と対処法の実態を調査しました。

目次

調査概要:「自己破産後の携帯電話の契約・端末分割購入」に関する調査

項目内容
調査期間2026年7月22日(水)〜2026年7月24日(金)
調査方法インターネット調査
調査人数100人
調査対象調査回答時に自己破産の手続きを完了したと回答し、かつ手続き後に携帯電話の新規契約・機種変更・端末の分割購入を申し込んだことがあると回答したモニター
調査元株式会社cielo azul 債務整理相談ナビ
モニター提供元サクリサ

本調査の回答者は全員、自己破産の手続き完了後に携帯電話の契約または端末の分割購入を「申し込んだ経験がある」方です。以下の数値は、申し込んだ方100人を母数とした割合である点にご留意ください。

7割が「回線の契約・端末の分割購入ができた」と回答

はじめに、自己破産の手続き完了後、携帯電話の契約や端末の分割購入がどうなったかを尋ねたところ、以下の結果となりました。

回答割合
携帯回線の契約・端末の分割購入ができた69.0%
携帯回線は契約できたが、端末の分割購入はできなかった21.0%
携帯回線も端末の分割購入もできなかった9.0%
その他1.0%
自己破産の手続き完了後、携帯電話の契約や端末の契約・分割購入について教えてください

最も多かったのは「携帯回線の契約・端末の分割購入ができた(69.0%)」で、約7割にのぼりました。

注目したいのは、「携帯回線も端末の分割購入もできなかった」が9.0%にとどまった点です。裏を返せば、回線契約そのものは90.0%(69.0%+21.0%)ができています。「自己破産をすると携帯が持てなくなる」というイメージとは、実態が異なることが読み取れます。

一方で、「携帯回線は契約できたが、端末の分割購入はできなかった(21.0%)」という回答も2割あります。端末の分割購入は割賦販売にあたり、信用情報を用いた審査が行われるため、回線契約とは扱いが分かれやすいためと考えられます。

つまり、自己破産後に影響が出やすいのは「通信そのもの」ではなく「端末代金の分割払い」であり、その傾向が経験者の回答にも表れた形です。

なお、端末の分割購入や回線契約の審査基準は各社とも公表していません。可否は借入状況や申込時期などによって異なるため、今回の結果は実態の傾向を示すものであり、契約の可否を保証するものではありません。

最初の申し込みは「6か月以上3年未満」が過半数

次に、手続き完了後、最初に携帯電話の契約・端末の分割購入を申し込んだ時期を尋ねたところ、以下の結果となりました。

回答割合
6か月未満19.0%
6か月以上1年未満28.0%
1年以上3年未満27.0%
3年以上5年未満15.0%
5年以上7年未満2.0%
7年以上9.0%
自己破産の手続き完了後、最初に携帯電話の契約・端末の分割購入を申し込んだのはいつ頃ですか?

最も多かったのは「6か月以上1年未満(28.0%)」で、「1年以上3年未満(27.0%)」がこれに続きました。この2つで55.0%と過半数を占めています。

「6か月未満(19.0%)」を加えると、手続き完了から1年未満に申し込んだ方が47.0%と、半数近くにのぼりました。

自己破産の情報は信用情報機関に一定期間登録され、その期間はおおむね5年から7年とされています。登録期間や解除のタイミングは債務整理のブラックリストはいつからいつまで?解除される(消える)タイミングと確認方法も解説で解説しています。

今回の結果を見ると、この登録期間の経過を待たずに申し込んでいる方が多数を占めていました。生活インフラである携帯電話は、信用情報の回復を待ってから契約するものではなく、必要になった時点で申し込まれている実態がうかがえます。

一方で「7年以上(9.0%)」という回答も一定数あり、申し込みの時期には幅があります。

最も多かった工夫は「格安SIM・サブブランドでの契約」42.0%

最後に、自己破産後に携帯電話を利用するために行ったことを尋ねたところ(複数回答)、以下の結果となりました。

順位行ったこと割合
1位格安SIM・サブブランドで新規契約・乗り換えをした42.0%
2位大手キャリアで新規契約・乗り換えをした39.0%
3位端末を一括購入した32.0%
4位家族名義で契約した22.0%
5位中古端末を購入した21.0%
6位分割購入できるまで待った10.0%
7位特に工夫はしていない8.0%
その他1.0%
自己破産後、携帯電話を利用するために行ったことを教えてください(複数回答可)

回答は「回線の確保」と「端末の確保」の2つに分かれます。

回線については、「格安SIM・サブブランド(42.0%)」が最多でしたが、「大手キャリア(39.0%)」も僅差で続いており、大きな差はありませんでした。格安SIMに限定せず、大手キャリアでも契約できたケースが相当数あったことになります。

端末については、「一括購入(32.0%)」が最も多く、「中古端末の購入(21.0%)」が続きました。分割払いによる審査を経ずに端末を確保する方法が選ばれていたことが分かります。

「分割購入できるまで待った」は10.0%にとどまりました。多くの方は待つのではなく、一括購入や中古端末など別の手段で対応していたことになります。

また、「特に工夫はしていない(8.0%)」という回答もありました。特別な対応をしなくても契約に至ったケースがあることを示しています。

なお、「家族名義で契約した(22.0%)」については、料金の支払いを本人が担う場合、名義人である家族が支払い義務を負う点に注意が必要です。家族の信用情報に影響が及ぶ可能性もあるため、事前の話し合いが欠かせません。

まとめ:自己破産後の携帯電話契約の実態

調査項目結果
回線の契約・端末の分割購入ができた69.0%
回線は契約できたが端末の分割購入はできなかった21.0%
回線も端末の分割購入もできなかった9.0%
最初の申し込みが手続き完了から1年未満47.0%
最も多かった工夫(格安SIM・サブブランドでの契約)42.0%
特に工夫はしていない8.0%

今回の調査では、自己破産の手続き完了後に携帯電話の契約や端末の分割購入を申し込んだ100人のうち、69.0%が「回線の契約・端末の分割購入ができた」と回答しました。回線契約に限れば90.0%ができており、「自己破産をすると携帯が使えなくなる」という不安は、実態とは異なる場合が多いことが分かります。

影響が出やすいのは端末代金の分割払いであり、これができなかった方は21.0%でした。ただし、一括購入や中古端末の購入といった手段で端末を確保していた方が多く、通信そのものが途絶えるケースは限定的でした。

申し込みの時期についても、信用情報の登録期間の経過を待たずに申し込んだ方が半数近くを占めています。手続き後の生活再建において、携帯電話が早い段階で確保されている実態がうかがえます。

自己破産を検討する際は、端末代金の分割払いが残っているか、通信料金に滞納がないかを、相談の段階で専門家に伝えておくことが大切です。状況を早く共有することで、生活への影響を抑えた進め方を検討しやすくなります。

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