自己破産の免責不許可事由とは?自己破産できない確率と失敗ケースをわかりやすく解説

自己破産は、裁判所の「免責許可決定」によって借金の支払い義務を免除してもらう手続きです。ただし、一定の行為があると「免責不許可事由」にあたり、免責が認められない可能性があります。

とはいえ、免責不許可事由があっても 裁量免責 により免責されるケースは多く、必要以上に怖がる必要はありません。

この記事では、免責不許可事由の代表例と、つまずきやすい失敗パターン、回避策を整理します。

目次

免責不許可事由とは?

免責不許可事由とは?

免責不許可事由とは、破産法(252条1項)で定められた「免責を認めないことがある事情」のことです。免責が得られないと借金は残るため、自己破産では “免責を取れるかどうか” が最重要ポイントになります。

※「免責不許可事由=自己破産の申立自体ができない」という意味ではありません。ただし、手続きが管財事件になったり、免責が厳しく見られたりする要因になります。

免責不許可事由の前提として、自己破産の流れや条件も確認しておくと安心です。

免責不許可事由の代表的な9つのケース(一覧)

免責不許可事由になる代表的な9つのケース

免責不許可事由にあたりやすい代表例は、次の9つです(裁判所の説明でも類型が整理されています)。

免責不許可事由の代表的な9つのケース
  • 浪費・ギャンブル・投資/投機で負債を増やした
  • 一部の債権者にだけ返済した(偏頗弁済)
  • 虚偽の債権者名簿を提出した
  • 本当は払えないのに払えるふりをして借りた(詐術)
  • 過去7年以内に免責を受けている(一定の個人再生を含む)
  • 財産隠し・財産の毀損(価値を下げる行為)
  • クレジットカード現金化など不当な債務負担
  • 帳簿等の隠滅・偽造・変造
  • 裁判所や管財人に非協力(質問無視・資料不提出など)

(免責許可の決定の要件等)
第二百五十二条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。

出典:破産法252条1項(法令検索)

各ケースの具体例と、やってはいけない行動

1. 浪費・ギャンブル・投資/投機

パチンコ

例:パチンコ、競馬、過度なブランド購入、収入不相応な旅行、FX・暗号資産・信用取引など。

ポイント:原因がこれでも、反省・家計改善・説明の整合性が取れれば裁量免責の余地はあります。

2. 偏頗弁済(へんぱべんさい)

例:親族だけ返す/保証人に迷惑をかけたくないからその借金だけ払う/家賃や携帯代をまとめ払いする等。

注意:善意でも「特定の人だけ優先した」と評価されやすいので、自己判断で支払わないこと。

3. 虚偽の債権者名簿

例:借入先の一部を意図的に外して申立てする。

※うっかり漏れは、事情説明と修正ができれば直せることもあります。

4. 詐術による借入

例:返せないのに返せる前提で借りる/直前に多額借入してすぐ申立て。

注意:申立前後の借入・ショッピングは特に見られやすいです。

5. 7年以内の免責(一定の個人再生を含む)

原則として、前回免責確定から7年以内は免責が制限されます。また、一定の個人再生(ハードシップ免責など)でも7年制限が問題になることがあります。

6. 財産隠し・毀損

例:名義を家族に移す/預金口座を隠す/高価品を処分・破損して価値を下げる。

結論:やるほど手続きが厳しくなり、免責も遠のきます。

7. クレジットカード現金化・不当な債務負担

例:換金目的の購入→転売、闇金など高金利借入で穴埋め。

注意:直前の行動が時系列で追われやすいです。

8. 帳簿等の隠滅・偽造・変造

主に事業者で問題化しやすい類型です。売上帳や通帳、請求書などを捨てない・加工しないこと。

9. 裁判所・管財人への非協力

質問に答えない、資料を出さない、連絡を無視するなど。免責を取りたいなら最優先で避けるべき行動です。

裁量免責とは?免責不許可事由があっても免責される理由

裁量免責とは

免責不許可事由があると、必ず免責されないわけではありません。

裁判所が事情(行為の程度、反省、生活再建の見込み、手続きへの協力度など)を見て、免責を認めるのが 裁量免責 です。

免責不許可になりやすい“本当の”パターン

免責不許可になりやすいケースは?

免責不許可そのものは多くありませんが、次の2つは特にリスクが上がります。

  • 同じ理由を繰り返している(例:前回もギャンブルで裁量免責→今回も同様)
  • 悪質性が高い(財産隠しが露骨、虚偽説明を重ねる、非協力が続く等)

管財事件になりやすいケースと費用の注意

管財事件になる可能性がある

免責不許可事由が疑われると、同時廃止ではなく 管財事件 になりやすい傾向があります。

管財事件になると、破産管財人が選任され、手続きが長くなり、費用負担も増えやすくなります。

免責不許可が不安なとき・不許可だったときの対処法

免責不許可となったらどうしたらいい?2つの方法

免責が難しそう、または免責不許可になった場合でも、借金問題の解決手段は残ります。

  • 任意整理:利息カットや返済計画の組み直しを交渉する(免責不許可事由の制限は基本なし)
  • 個人再生:借金を大幅減額して分割返済(住宅を残せる可能性がある)

申立前〜申立後の「やってはいけない」チェックリスト

やってはいけないこと
  • 新たな借入・ショッピング枠の利用で負債を増やすこと
  • 特定の債権者だけを優先して返済すること(偏頗弁済)
  • 財産の名義変更・隠匿・不自然な処分(売却/贈与など)をすること
  • 通帳・明細・契約書などの資料を捨てる/破棄すること
  • 裁判所・管財人・弁護士からの連絡や指示を放置すること(期限遅れ・未提出)

自己破産の免責不許可事由に関するよくある質問

免責不許可事由とは何ですか?

免責不許可事由とは、自己破産で免責(借金の支払い義務の免除)が認められない可能性がある事情のことです。

免責が得られないと借金は残るため、申立前にリスクを把握しておくことが重要です。

免責不許可事由があると自己破産できないのですか?

免責不許可事由があっても、自己破産の申立自体が直ちにできなくなるわけではありません。

ただし、管財事件になりやすくなったり、免責が厳しく審査されたりする要因になります。

免責不許可事由にあたりやすい行為は?

代表例は、浪費・ギャンブル等で負債を増やす、特定の債権者だけ返す(偏頗弁済)、財産隠しや名義変更、クレジットカード現金化、裁判所・管財人への非協力などです。

免責不許可事由があっても免責されることはありますか?

あります。

免責不許可事由があっても、行為の程度や反省、生活再建の見込み、手続への協力度などを踏まえて裁判所が免責を認めることがあり、これを裁量免責といいます。

免責不許可が不安な場合はどうすればいいですか?

事実を隠さず、資料(通帳・明細・契約書等)をそろえ、申立前後に新たな借入や偏頗弁済をしないことが大切です。

不安があれば早めに専門家へ相談し、見通しと注意点を整理しましょう。

免責が難しい場合の代替手段はありますか?

状況によっては、任意整理(返済条件の見直し)や個人再生(借金の大幅減額)などの方法で解決できる場合があります。収入・財産・住宅の有無などを踏まえて選択します。

まとめ

免責不許可事由は、免責を左右する重要ポイントです。

ただし、免責不許可事由があっても裁量免責で免責されるケースは多く、過度に恐れる必要はありません。

重要なのは、(1) 事実を隠さない(2) 手続きに誠実に協力する(3) 申立前後の行動で余計なリスクを増やさない ことです。

不安がある場合は、早めに専門家へ相談し、手続きの見通しを整理するのが最短ルートです。相談先で迷う場合は、自己破産の相談先の選び方とおすすめ事務所も参考にしてください。

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