国民健康保険が高くて払えない場合どうする?無職・退職後の相談先と対処法(猶予・減免・分割)

国民健康保険が高くて払えない場合 どうする?免除、分割、減免できる?
執筆者:大泉 聡

監修者:社会保険労務士 岡 佳伸

国民健康保険料が払えないときは、放置より先に「切替の余地」と「減免・分割」を確認するのが最短です。

このページでは、国民健康保険が払えない場合の相談先と、窓口で取りうる対処法(猶予・減免・分割)、さらに理由別(無職・自己都合退職・病気など)の注意点をまとめます。

目次

まず結論(最初にやること)

国民健康保険が払えないときは、次の順番で動くのが基本です。

国民健康保険料が払えないときにやるべきこと
  • 市区町村の国民健康保険(納付)担当窓口に相談する
  • 対処法として 「徴収猶予」「減免」「分割納付」 が使えるか確認する
  • 督促状・催告状など 期限のある書面が来ている場合は、それを最優先で対応する

①国民健康保険が払えない場合の相談先:市区町村の国民健康保険(納付)担当窓口に相談

国民健康保険の支払いが難しい場合には、お住まいの市区町村の役所に相談してください。

役所によって担当部署名が異なりますので、受付で「国民健康保険(保険料)の支払い相談に対応してくれる部署はどこか」を確認しましょう。

(例:東京都新宿区なら「健康部-医療保険年金課 納付推進係」など、自治体により名称は異なります)

②国民健康保険が払えない場合の対処法

役所に相談すると、対処法として次のような方法を取れる可能性があります。

国民健康保険が払えない場合の3つの対処法

  • 徴収猶予制度を利用する
  • 減免制度を利用する
  • 分割納付ができないか相談する

それぞれ確認していきましょう。

徴収猶予制度を利用する

徴収猶予制度とは、災害などで損害が出てしまった場合や、失業・廃業などで収入が大きく減った場合に、一定期間、保険料の支払いを猶予してもらえる制度です。

今後納めるはずの分の猶予(徴収猶予)や、すでに滞納している分の納付を猶予してもらう制度(換価の猶予)など、自治体の扱いはさまざまです。

適用条件・申請方法・必要書類は自治体によって異なるため、詳しくは自治体の案内を確認してください。

減免制度を利用する

減免制度とは、災害で損害が出た場合や、倒産・失業などで収入が大きく減った場合などに、保険料の減額・免除が認められる可能性がある制度です。

減免の基準や対象は自治体ごとに異なり、収入減少の理由(退職理由など)によって扱いが変わることがあります。詳細は自治体の案内を確認しましょう。

「全額・◯分の◯」など具体的な減額幅も自治体で異なるため、断定せず窓口で確認してください。

分割納付ができないか相談する

支払いの猶予や減免が認められなかったとしても、担当者に「支払いが難しい」旨を相談することで、分割納付を認めてもらえる可能性があります。

分割金額は、支払いできない理由や現在の収入状況などを総合的に考慮して決まります。

相談の際は、無理のない範囲で「毎月いくらなら払えるか」を具体的に提示すると話が進みやすいです。

自己都合退職、失業や病気などで払えなくなった場合の対処法

ここからは、支払いができない理由ごとに、ポイントを整理します。

失業し無職になった場合

会社を退職して無職になり、収入がなくなった場合でも、(扶養などに入らない限り)国民健康保険に加入し、保険料を支払う必要があります。

ただし国民健康保険料は、前年度の所得等をもとに算出されるため、直近の状況と負担感がズレることがあります。

また、生活保護の対象となる場合や、家族の健康保険の扶養に入れる場合は、そもそも国民健康保険に加入しない扱いとなることがあります。

該当する可能性がある場合は、自治体の窓口で状況を伝え、減免・猶予・分割の可否も含めて相談してください。

「自己都合退職」で払えないケース

自己都合退職の場合、自治体の制度設計によっては、減免が認められにくいことがあります。

減免は一般に「本人の意図しない事情で収入が大きく減った」ケースを想定していることが多いためです。

ただし、自己都合退職でも、病気や家族の介護など やむを得ない事情がある場合、または自治体の基準により対象となる場合があります。

結局のところ、自治体ごとに扱いが異なるため、窓口で事情を説明し、対象になる制度があるかを確認してください。

フリーターの場合

アルバイトやパートで生計を立てていても、勤務先で社会保険に加入していない場合などは、国民健康保険に加入することになります。

一方で、条件を満たせば家族の扶養に入れる可能性もあります。扶養に入れるかどうかは条件があるため、家族側の健康保険の窓口で確認してください。

また、国保となる場合は、自治体で 徴収猶予・減免・分割の相談をすることが現実的です。

自営業、個人事業主、フリーランスの場合

自営業・個人事業主は国民健康保険に加入するケースが多いですが、収入が少ない場合は減免の対象となる可能性があります。

ただし保険料の算定は世帯の状況にも左右されます。本人の所得が低くても、同一世帯の加入者の所得状況により、減免が認められないこともあるため注意してください。

病気の場合

病気やけがで働けず、支払いが難しい場合、自治体で減免が認められる可能性があります。

申請時に必要となる書類や考慮される事情は自治体ごとに異なります。診断書など、収入減少の要因を示せる資料が求められることもあるため、窓口で確認してください。

高すぎて払えない場合

収入に比べて保険料が高いと感じる場合でも、減免の可否は自治体の基準により判断されます。「高いから」という理由だけで必ず減免されるわけではありません。

それでも支払いが難しい場合は、分割納付の相談をするのが現実的です。

督促状、催告状が来たけど払えない場合

保険料を滞納すると、自治体から督促状・催告状などの書面が届くことがあります(タイミングは自治体により異なります)。

このまま放置すると、手続きが進む可能性があるため、なるべく早く担当窓口に、猶予・減免・分割の相談をしてください。

なお、書面が届いたからといって、すぐに差し押さえが実行されるとは限りません。まずは落ち着いて、期限の確認窓口相談を優先しましょう。

また、督促状等は作成時点の納付状況をもとに発送されるため、支払いと行き違いで届くことがあります。

分割で納付計画を立てている場合も、機械的に送られてくるケースがあります。気になる場合は窓口に確認してください。

切り替え手続きを忘れていた場合

会社を退職して無職になる場合や、自営業・個人事業主として働く場合などは、社会保険を脱退し、国民健康保険へ切り替える必要があります(扶養に入る場合などを除く)。

切り替えをしない期間があると、医療費の自己負担が大きくなるなど不利益が出ることがあります。

また、未納分の保険料がさかのぼって請求されることがあるため、心当たりがある場合は早めに自治体に確認してください。

よくある質問(最初の行動に統一)

国民健康保険が払えないとき、まずどこに相談すればいい?

市区町村の国民健康保険(納付)担当窓口です。受付で担当部署を確認できます。

無職でも減免や猶予は使える?

自治体の基準によりますが、収入減少の事情により対象になる場合があります。窓口で減免・猶予・分割の可否を確認してください。

自己都合退職だと減免は難しい?

自治体の制度設計によっては難しい場合があります。ただし、やむを得ない事情がある場合など対象になることもあるため、事情を説明して確認してください。

また、減免は無理でも分割での支払いには応じてくれる可能性もあります。

減免が無理なら何もできない?

減免が難しくても、分割納付が認められることがあります。毎月いくらなら払えるかを決めて相談しましょう。

督促状が来たら何を優先する?

書面の期限確認を最優先にし、早めに窓口へ相談してください(猶予・減免・分割の確認)。

高くて払えないときの現実的な手は?

まずは 分割納付の相談、あわせて 減免・猶予の対象になる事情がないかを確認します。

退職後、国保以外の選択肢はある?

状況により 扶養任意継続が選べる場合があります。該当するか確認してから判断すると安全です。

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参考(外部リンク)

・【厚生労働省:国民健康保険制度の解説】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/koukikourei/index_00002.html
・【e-Gov:国民健康保険法(本文)】
https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000192
・【各自治体:減免・猶予・分割相談の案内(例:明石市|猶予・分割などの納付相談)】
https://www.city.akashi.lg.jp/shimin_kenkou/kokuho_ka/hokenryo_nofu/noufusoudan.html
・【自治体の納付相談ページ(例:東京都大田区|国保料納付相談)】
https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/kokunen/kokuho/hokenryou/nouhu.html

この記事の監修者
社会保険労務士 岡 佳伸

社会保険労務士 岡 佳伸
社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表。

大手人材派遣会社などで人事労務を担当した後に、労働局職員として雇用保険給付業務などに携わる。

現在は開業社会保険労務士として活躍。日経新聞などに取材記事が掲載され、NHKあさイチにも出演。

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