
「自己破産をすると、財産をすべて失う」——そうしたイメージを持つ方は少なくありません。
しかし実際のところ、自己破産後に「失ったもの」の実態は、多くの人が想像するものとかなり異なるケースもあります。
手放す財産の中心は何か。生活への影響はどこに出やすいのか。「意外と困らなかった」ことはあるのか。そこで今回、自己破産を経験した方100人を対象に、財産・生活への実態について調査しました。
調査概要:「自己破産で失ったもの」に関する調査
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査期間 | 2026年5月20日(水)〜2026年5月22日(金) |
| 調査方法 | インターネット調査 |
| 調査人数 | 100人 |
| 調査対象 | 調査回答時に自己破産(同時廃止または管財事件)を行い、免責許可を得たと回答したモニター |
| 調査元 | 株式会社cielo azul 債務整理相談ナビ |
| モニター提供元 | サクリサ |
回答者プロフィール
- 性別:男性62%・女性38%
- 年齢:22歳〜59歳(平均40.7歳)
- 年代別:20代18%・30代30%・40代26%・50代26%
- 職業:会社員(事務系)35%・会社員(技術系)20%・会社員(その他)18%・無職11%・公務員8%・自営業4%など
- 居住地:関東46%・その他37%・関西17%(29都道府県から回答)
「失ったもの」は想定より少なかった——7割以上が「想定内以下」と回答
「自己破産前と比べて、失ったものは多かったでしょうか、少なかったでしょうか?」と尋ねたところ、「思っていたより失うものは少なかった(39.0%)」「ほぼ想定通りだった(32.0%)」を合わせると71%が、想定内以下の喪失感だったと回答しました。
| 回答 | 割合 |
|---|---|
| 思っていたより失うものは少なかった | 39.0% |
| ほぼ想定通りだった | 32.0% |
| 思っていたより多く失った | 25.0% |
| よくわからないまま手続きが進んだ | 4.0% |

「思っていたより多く失った」と答えた方は25.0%でした。「すべてを失う」というイメージで自己破産をとらえている方にとっては、実態がより穏やかに感じられるケースが多いようです。
実際に手放した財産ランキング——「預貯金の一部」が6割近く、「財産なし」も2割
「自己破産の手続きで実際に手放した財産はどれですか?(複数回答可)」と尋ねたところ、以下の結果となりました。
| 順位 | 手放した財産 | 割合 |
|---|---|---|
| 1位 | 預貯金(99万円超の部分) | 59.0% |
| 2位 | 自動車 | 35.0% |
| 3位 | 不動産(持ち家) | 25.0% |
| 4位 | 生命保険(解約返戻金あり) | 21.0% |
| 5位 | 株・投資信託 | 7.0% |
| — | 特になし(自由財産の範囲内で収まった) | 20.0% |

最も多かったのは「預貯金(99万円超の部分)」で59.0%でした。自己破産では99万円以下の現金は「自由財産」として手元に残すことができるため、預貯金のうち99万円を超える部分のみが対象となります。
次いで「自動車(35.0%)」「不動産(持ち家)(25.0%)」と、高額資産が続いています。
注目すべきは「特になし(自由財産の範囲内で収まった)」が20.0%という点です。預貯金が99万円以下で、車もなく、不動産もないケースでは、財産の処分が発生しないこともあります。
男女別の傾向では、自動車を手放した割合は男性(23人/62人=37.1%)が女性(12人/38人=31.6%)より高く、生命保険を手放した割合は女性(10人/38人=26.3%)が男性(11人/62人=17.7%)より高い傾向が見られました。
意外と困らなかったこと1位は「賃貸契約(住む場所)」——不安の多くは杞憂だった
「自己破産後の生活で『意外と困らなかった』と感じたことは何ですか?」と尋ねたところ、以下の結果となりました。
| 順位 | 困らなかったこと | 割合 |
|---|---|---|
| 1位 | 賃貸契約(住む場所) | 49.0% |
| 2位 | 携帯電話の契約 | 37.0% |
| 2位 | 仕事・就職 | 37.0% |
| 4位 | 日常的な買い物 | 30.0% |
| 5位 | 家族への影響 | 24.0% |
| — | 特にない(困ることが多かった) | 14.0% |

「家を追い出される」「携帯が使えなくなる」「仕事を失う」——自己破産を検討する段階でよく耳にする不安ですが、今回の調査ではこれらすべてが「意外と困らなかったこと」の上位に挙がりました。
「賃貸契約」が49.0%と最多となった背景には、現在の賃貸契約はすでに結ばれているため自己破産を理由に強制退去になることがほとんどないこと、また家賃の滞納がなければ更新も問題なく行われるケースが多いことが挙げられます。
「仕事・就職」が37.0%という結果は、自己破産を理由に解雇することは法律上認められておらず、一般的な職業であれば手続き中・後を通じて就業を続けられることを反映しています(ただし、一部の資格・職業は手続き中に制限があります)。
一方、「特にない(困ることが多かった)」は14.0%でした。困ることが多かった方も一定数おり、信用情報への登録によるクレジットカード利用制限や、管財事件における郵便転送・居住制限などが影響していると考えられます。
まとめ:「すべてを失う」は誤解—財産への影響は高額資産が中心、日常生活への影響は限定的
今回の調査からは、自己破産で「失うもの」に関して以下の実態が明らかになりました。
財産について:処分対象となるのは「99万円超の預貯金」「自動車」「不動産」「解約返戻金のある生命保険」など高額資産が中心。2割の方は財産を失わずに済んでいます。法律上の「自由財産」(99万円以下の現金・家財道具・日用品等)は手元に残すことができます。
生活への影響について:賃貸住宅・携帯電話・仕事などの日常生活に必要なものへの影響は「意外と少ない」と感じた方が多数を占めました。
事前のイメージとのギャップ:「思ったより失うものが少なかった」が39%、「想定通り」が32%で、7割以上が想定内以下の喪失感でした。事前の不安が実態より大きかったケースが多いことが示されています。
自己破産を検討しながらも「財産をすべて失う」という恐怖から一歩を踏み出せていない方にとって、今回の調査結果は判断の材料の一つになれば幸いです。
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