自己破産で「離婚した」は14%—配偶者がいた経験者100人に聞いた夫婦関係の実態調査

執筆:大泉 聡(弁護士・司法書士に取材)

借金や自己破産の問題を抱えたとき、「これが原因で離婚になるのではないか」という不安は、多くの人が経験するものです。配偶者にどう切り出すか、伝えたあとに関係が壊れないか。手続きそのものよりも、こうした家庭の問題に悩む方は少なくありません。

では実際に、自己破産を経験した人は配偶者にどう伝え、その後の夫婦関係はどう変化したのでしょうか。

債務整理相談ナビでは、自己破産の手続きを行った経験があり、手続き当時に配偶者がいた100人を対象に、「自己破産と離婚」に関する実態を調査しました。

本記事では、配偶者への伝え方・手続き後の夫婦関係・離婚を考えた経験の3点について、調査結果を整理してお伝えします。

目次

調査概要:「自己破産と離婚」に関する実態調査

項目内容
調査期間2026年6月11日(木)〜2026年6月13日(土)
調査方法インターネット調査
調査人数100人
調査対象調査回答時に自己破産の手続きを行った経験があり、手続き当時に配偶者がいたと回答したモニター
調査元株式会社cielo azul 債務整理相談ナビ
モニター提供元サクリサ

配偶者への伝え方—「最初から話し合って一緒に進めた」が69%、「最後まで内緒」は3%

「債務整理(自己破産)を配偶者に伝えましたか?」と尋ねたところ、以下の結果となりました。

回答割合
最初から話し合って一緒に進めた69.0%
途中で打ち明けた28.0%
最後まで内緒にした3.0%
自己破産を配偶者に伝えましたか?

「最初から話し合って一緒に進めた(69.0%)」が最多で、「途中で打ち明けた(28.0%)」と合わせると97%が、手続きの前後で配偶者に伝えていたことが分かりました。「最後まで内緒にした」は3.0%にとどまっています。

自己破産は、原則として本人の借金を対象とする手続きであり、配偶者に返済義務が及ぶことは基本的にありません。

ただし、家計が共通している以上、財産や生活への影響を配偶者が把握しておいたほうが手続きを進めやすい面があります。今回の結果からは、多くの人が「隠す」よりも「共有する」ことを選んでいる様子がうかがえます。

なお、自己破産を含む債務整理を家族に知られずに進められるかどうかは、手続きの種類や状況によって異なります。詳しくは債務整理は家族にバレる?内緒にできる手続きとバレる原因・対策で整理しています。

手続き後の夫婦関係—「改善」または「変化なし」が約7割、「離婚した」は14%

「手続き後、夫婦関係はどうなりましたか?」と尋ねたところ、以下の結果となりました。

回答割合
関係が改善された38.0%
ほぼ変化なし31.0%
関係が悪化した17.0%
離婚した14.0%
自己破産手続き後、夫婦関係はどうなりましたか?

「関係が改善された(38.0%)」と「ほぼ変化なし(31.0%)」を合わせると、約7割(69.0%)が手続き後も夫婦関係を維持していたことが分かりました。一方で「離婚した」は14.0%にとどまっています。

「借金や自己破産が原因で離婚に至るのではないか」という不安は根強いものですが、今回の調査では、実際に離婚に至ったのは一部であり、むしろ手続きをきっかけに関係が改善したと回答した人が最も多い結果となりました。

返済の負担が解消されたことで、家計や生活のストレスが軽減されたケースがあると考えられます。

借金問題で「離婚を考えた」経験は約8割、ただし実際の離婚は限定的

「借金問題が原因で離婚を考えたことがありますか?」と尋ねたところ、以下の結果となりました。

回答割合
自分から離婚を考えた49.0%
配偶者から離婚を切り出された18.0%
お互いに話し合い離婚した12.0%
考えたことはない21.0%
借金問題が原因で離婚を考えたことがありますか?

「考えたことはない(21.0%)」以外の回答を合わせると、約8割(79.0%)が借金問題を背景に離婚が頭をよぎった経験を持っていたことが分かりました。借金問題は、多くの夫婦にとって離婚を意識するほど重い出来事であることがうかがえます。

なお、この設問は「借金問題が離婚を考えるきっかけになったか」という経緯を尋ねたものであり、手続き後に実際に離婚したかどうか(前項の「離婚した」14.0%)とは観点が異なります。

離婚を一度は考えた経験がある人が約8割にのぼる一方で、最終的に離婚に至ったのは14.0%であり、離婚を意識しても関係を維持した夫婦が多かったことが読み取れます。

まとめ:離婚を考えた人は約8割、実際の離婚は14%——分かれ目は「配偶者と共有できたか」

今回の調査で明らかになった主なポイントを整理します。

調査項目結果
最初から話し合って一緒に進めた69.0%
手続き後に関係が改善・変化なし69.0%
手続き後に離婚した14.0%
借金問題で離婚を考えた経験がある79.0%

借金や自己破産の問題は、多くの夫婦にとって離婚が頭をよぎるほど重い出来事である一方、実際に離婚に至ったのは14.0%でした。そして、配偶者に「最初から話し合って進めた」人が約7割を占め、手続き後に関係を維持できた割合とも近い水準にあります。

このことから、原則として、問題を一人で抱え込まず、早い段階で配偶者と状況を共有できたかどうかが、その後の夫婦関係に影響しうると考えられます。

自己破産と離婚をどちらの順で進めるべきか、財産分与・養育費・慰謝料はどうなるかといった制度面は、自己破産と離婚はどちらが先?タイミング・配偶者への影響と注意点を解説で詳しく整理しています。

自己破産の仕組みや財産・生活への影響については自己破産とは?条件・流れ・デメリット・費用までわかりやすく解説で整理しています。

自己破産を検討していて、費用や実績をもとに相談先を比較したい方は、自己破産に強い弁護士・司法書士を費用相場と相談先の選び方で確認するもあわせてご覧ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次