自己破産後も慰謝料・養育費の「支払いを継続している」は72.8%—離婚時に支払い義務があった経験者100人の実態調査

自己破産後、慰謝料、養育費の支払いはどうなりましたか?
執筆:大泉 聡(弁護士・司法書士に取材)

「借金が返せないなら自己破産すればいい。でも、慰謝料や養育費まで消えてしまうのでは」——離婚を経て自己破産を考えるとき、本人にとっても、支払いを受け取る側の元配偶者にとっても、この点は大きな不安になります。

では実際に、離婚時に慰謝料・養育費の支払い義務を抱えたまま自己破産した人は、弁護士からどのような説明を受け、手続き後の支払いはどうなったのでしょうか。

債務整理相談ナビでは、自己破産の手続きを行った経験があり、手続き時に離婚していた100人を対象に、「自己破産による慰謝料の有無」に関する実態を調査しました。

本記事では、支払い義務の内訳・弁護士からの説明・手続き後の支払い状況の3点について、調査結果を整理してお伝えします。

目次

調査概要:「自己破産による慰謝料の有無」に関する調査

項目内容
調査期間2026年6月11日(木)〜2026年6月15日(月)
調査方法インターネット調査
調査人数100人
調査対象調査回答時に自己破産の手続きを行った経験があり、手続き時に離婚していたと回答したモニター
調査元株式会社cielo azul 債務整理相談ナビ
モニター提供元サクリサ

支払い義務の内訳—「慰謝料」が50%、「養育費」が23%、「両方」が8%

「慰謝料・養育費の支払い義務がある状態で自己破産しましたか?」と尋ねたところ、以下の結果となりました。

回答割合
慰謝料の支払い義務があった50.0%
養育費の支払い義務があった23.0%
両方あった8.0%
どちらもなかった19.0%
慰謝料・養育費の支払い義務がある状態で自己破産しましたか?

「慰謝料の支払い義務があった(50.0%)」が最多で、「養育費の支払い義務があった(23.0%)」「両方あった(8.0%)」を合わせると、81.0%が慰謝料・養育費のいずれか、または両方の支払い義務を抱えた状態で自己破産の手続きに入っていたことが分かりました。

離婚にともなうお金の支払いと借金の問題が重なるのは、特別なケースではなく、自己破産の場面ではむしろよくあることだと分かります。

弁護士からの説明—「免責されないことを事前にしっかり説明された」が82.7%

前設問で「慰謝料の支払い義務があった」「養育費の支払い義務があった」「両方あった」と回答した81人に、「慰謝料・養育費について弁護士からどのような説明を受けましたか?」と尋ねたところ、以下の結果となりました。

回答割合
免責されないことを事前にしっかり説明された82.7%
説明が不十分で後から知った13.6%
自分で調べて知っていた3.7%
慰謝料・養育費について弁護士からどのような説明を受けましたか?

「免責されないことを事前にしっかり説明された(82.7%)」が8割を超え、大半のケースで、手続きに入る前の段階で弁護士から支払い義務の扱いについて説明がなされていたことが分かりました。

前提として、自己破産で免責許可決定が確定しても、養育費など一部の債権は法律上「非免責債権」とされ、支払い義務が残ります(破産法253条1項)。慰謝料は内容によって扱いが分かれます。

今回の調査で「説明が不十分で後から知った」が13.6%存在した点は、この論点の分かりにくさを示しているといえます。何が残るのかを手続き後に初めて知る事態は、生活再建の計画に直接影響します。

手続き後の支払い—「支払いを継続している」が72.8%

同じく81人に、「自己破産後、慰謝料・養育費の支払いはどうなりましたか?」と尋ねたところ、以下の結果となりました。

回答割合
支払いを継続している72.8%
支払いが困難で別途交渉中21.0%
相手方と合意して減額できた6.2%
自己破産後、慰謝料・養育費の支払いはどうなりましたか?

「支払いを継続している(72.8%)」が7割を超え、自己破産をしても慰謝料・養育費の支払いが続いている実態が確認できました。「自己破産をすればすべての支払いから解放される」というイメージとは異なる結果です。

一方で、「支払いが困難で別途交渉中(21.0%)」が約2割にのぼる点も見逃せません。自己破産に至るほど家計が悪化した状態では、免責後も残る支払いが重い負担になり得ます。

「相手方と合意して減額できた(6.2%)」という回答があるように、支払い義務そのものは残っても、金額や支払い方法を相手方と話し合う余地はあります。

まとめ:8割が支払い義務を抱えて自己破産、手続き後も7割超が支払いを継続

今回の調査で明らかになった主なポイントを整理します。

調査項目結果
慰謝料・養育費のいずれか、または両方の支払い義務があった81.0%
免責されないことを事前にしっかり説明された82.7%
自己破産後も支払いを継続している72.8%
支払いが困難で別途交渉中21.0%

自己破産は借金の返済義務を免除する手続きですが、養育費をはじめとする非免責債権の支払い義務は手続き後も残ります。今回の調査では、8割以上が事前に弁護士から説明を受け、7割超が手続き後も支払いを継続している一方、約2割が支払いに行き詰まり交渉を続けている実態が明らかになりました。

離婚に伴う慰謝料という支払い義務を抱えている場合、「自己破産で何が免除され、何が残るのか」を手続き前に把握できているかどうかが、その後の生活再建の見通しを大きく左右します。

自己破産の仕組みや手続きの流れについては自己破産とは?条件・流れ・デメリット・費用までわかりやすく解説で整理しています。

自己破産を検討していて、費用や実績をもとに相談先を比較したい方は、自己破産に強い弁護士・司法書士を費用相場と相談先の選び方で確認するもあわせてご覧ください。

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