債務整理のタイミング|相談すべき状態の見分け方7つと準備メモ


債務整理のタイミング
執筆者:大泉 聡

この記事では、「債務整理はいつ相談すべきか(タイミング)」を、感覚や一般論ではなく 一次情報(調査データ) を根拠に整理します。

具体的には、当サイトが実施した「認識ギャップ調査」(n=1,004/債務整理経験者503人+弁護士・司法書士501人、2025/7/15〜7/17)でわかった

  • 経験者が“相談(決意)に踏み切ったきっかけ”
  • 専門家が“もっと早ければ選択肢が残った”と感じた状況

の両方をもとに、「いま相談していい状態か」を判断できるようにしています。

なお、この記事の目的は「どの手続きにするか」を決めることではありません。まずは 相談していいタイミングかどうか を判定し、必要なら次に債務整理の制度比較へ進めるように設計しています。

目次

結論と根拠(一次情報:認識ギャップ調査にもとづく)

債務整理は「手続きを決める前」に相談してOKです。目安は、返済で生活が回っていないサインが出た時点

なぜなら、調査データ上も“生活が回らなくなってから相談を決める人が多い”一方で、専門家側では“もっと早ければ選択肢が残った”ケースが多く、先延ばしは選べる手段を狭めやすいからです。

専門家への相談は「債務整理をする宣言」ではなく、選択肢を残すための現状確認なので、躊躇する必要はないです。

根拠(調査データ)

編集部の認識ギャップ調査(n=1,004/債務整理経験者503人+弁護士・司法書士501人、2025/7/15〜7/17、インターネット調査)では、次の結果が出ています。

認識ギャップ調査の要点
  • 債務整理経験者が「債務整理を決意したきっかけ」で最多:「1か月の返済額が生活費を超えた」45.3%(=生活が回らなくなってから決断するケースが多い)
  • 次に多いきっかけ:「督促や取り立てが頻繁に来るようになった」32.6%「裁判所から通知が届いた」17.1%(=状況が悪化してから動く人も一定数いる)
  • 一方、弁護士・司法書士側が「もっと早く相談してほしかった」と感じたケース:「自己破産しか選択できなくなっていた」48.1%「差し押さえになる直前だった」46.1%(=先延ばしにより“選択肢が残らない段階”に近づきやすい)

調査の詳細(設問・対象・期間・方法)はこちら

自分はどの制度に近いか(任意整理・個人再生・自己破産など)の比較は別記事で整理しています。
債務整理の制度比較

まとめ:相談すべきタイミングは「生活が回っていないサイン」が出たとき

相談は手続き確定ではなく現状確認なので、迷った段階で早めに相談してOKです。

いま相談していいか「セルフチェック」7つ

まとめでお伝えした通り、相談の目安は「生活が回っていないサイン」が出たときです。

ただ、このサインは人によって感じ方が違い、「自分はまだ大丈夫かも」と判断がぶれやすいので、ここではよくある状態を7つに分解してセルフチェックできるようにします。

当てはまる数が多いほど、手続き選びの前に相談してよい状態です。

  • [ ] 1か月の返済額が生活費を圧迫している(家賃・光熱費・食費が削られる)※経験者の最多きっかけ「返済が生活費を超えた」45.3%(調査結果
  • [ ] 返済のために借りて返す(自転車操業)が始まっている
  • [ ] 直近で延滞が出た/延滞しそう(1日でも不安がある)
  • [ ] 督促の連絡が増えた(回数や口調が変わった)
  • [ ] 借入先が増えている(件数が増える/リボが膨らむ)
  • [ ] “今月だけ”ではなく、改善の見通しが立たない
  • [ ] 心身に影響が出ている(眠れない・食欲が落ちる・仕事に支障)

ここまでのセルフチェックは、「いま相談していい状態か」を生活ベースで確認するパートでした。ここから先はもう一歩進めて、先延ばしによって“選べる手段が減りやすいライン”を確認します。

認識ギャップ調査では、専門家側に「もっと早ければ」と感じた状況が複数挙がっており、遅れるほど相談を先延ばしにするメリットが小さくなることが分かっています。

遅れると選択肢が狭まるサイン

セルフチェックで「当てはまるかも」と感じた人は、次に“時間が経つほど不利になりやすいサイン”も確認してください。

このパートは、認識ギャップ調査のうち 専門家側が「もっと早く相談してほしかった」と感じたケースをもとに、よくある状況を3つ(A〜C)に整理したものです。

ここで言いたいのは「怖いから急げ」ではありません。

債務整理には、状況が進むと手段が減りやすいラインがあるため、そこに近いほど「現状確認の相談」を早めに入れた方が合理的、という話です。

サインA:差し押さえ・法的手続きが近い

次のような状態に近いほど、放置のリスクが上がりやすいです。

  • 裁判所から通知が届いた(経験者 17.1%)
  • 支払督促や訴状のような書類が来た
    出典:認識ギャップ調査(n=1,004)[調査結果

なぜ選択肢が狭まる?
裁判所の手続きが始まると、まずは「話し合いで返済条件を調整する(任意整理)」よりも、法的な流れ(支払督促・訴訟など)が優先して進むことがあります。

結果として、落ち着いて交渉する時間が取りにくくなり、選択肢が限られやすくなります。

次にやること
届いた書類(封筒も含めて)を保管し、内容をメモして相談時にそのまま伝えられるようにします。

サインB:「任意整理で調整する余地」が薄くなる

専門家側で「もっと早ければ」と感じたケースとして、「自己破産しか選択できなくなっていた」48.1% が上位でした。出典:認識ギャップ調査(n=1,004)[調査結果

なぜ選択肢が狭まる?
返済の遅れや資金繰り悪化が進むと、分割調整だけで立て直すのが難しくなることがあるためです。

次にやること:
「借入先」「毎月返済額」「直近の延滞有無」を整理して、次章の相談前メモに進みます。

サインC:差し押さえ直前まで進んでいる

専門家側で 「差し押さえになる直前だった」46.1% が上位でした。出典:認識ギャップ調査(n=1,004)[調査結果

なぜ選択肢が狭まる?
“直前”まで進むと、手続き上も時間的にも余裕が小さくなりやすいためです。

次にやること:
督促の頻度・内容(いつ/どこから/何が来た)をメモし、相談で時系列が説明できるようにします。

相談前に準備するメモ

相談の質は「資料の完璧さ」より情報の抜け漏れが少ないことで上がります。まずはこのテンプレを埋めるだけでOKです(分からない所は空欄でも可)。

相談メモテンプレ(そのまま貼って使えます)

  • 借入先(会社名):
  • 例)A社、Bカード、C銀行
  • 借入件数(だいたい):
  • 借金総額(だいたい):
  • 毎月の返済合計(だいたい):
  • 直近の延滞:あり/なし(いつから: )
  • 督促の状況:電話/SMS/郵送(頻度: )
  • 収入(月手取り目安):
  • 家計の固定費(家賃・ローン等):
  • 資産の有無(車・家・貯金など、ざっくり):
  • 連帯保証人:いる/いない(誰: )
  • いま一番困っていること(1つでOK):
  • 例)返済が生活費を超えている/督促がつらい/訴状が来た 等

これだけは先に言うと話が早い

  • 今すぐ取り立てを止めたい
  • 家や車は残したい(or こだわりなし)
  • 家族に郵送物を見られたくない

制度の詳細判断は比較記事

「相談=債務整理確定」ではない

相談の段階でやるのは、主にこの3つです。

1) 状況整理(借入・返済・延滞・収入支出)
2) 取りうる選択肢の見通し(“今のまま”と“手続きした場合”の比較)
3) 具体的な次の一手(何を揃える/どこから連絡する/注意点)

相談したからといって、必ず手続きを進める必要はありません。「手段を選べる状態で判断する」ために相談します。

よくある質問

債務整理は「滞納してから」相談するものですか?

いいえ。滞納前でも相談して大丈夫です。

相談は手続き確定ではなく現状確認なので、返済が生活費を圧迫しているなど「生活が回っていないサイン」が出た時点で相談する人が多いです。

相談したら、その場で手続きを申し込まないといけませんか?

いいえ。相談では状況整理と見通しの確認が中心で、必ず依頼する必要はありません。「今のまま」と「手続きした場合」を比較してから決められます。

督促が増えた・裁判所の通知が来た場合、何から確認すべきですか?

まずは届いた書類を保管し、差出人・日付・内容(支払督促/訴状など)をメモしてください。

期限がある場合もあるため、早めに専門家に状況を共有するのが安全です。

相談前に最低限まとめておくべき情報は何ですか?ありがと

「借入先の名前」「借入件数」「借金総額(概算)」「毎月返済額」「直近の延滞有無」が最低限あるとスムーズです。分からない項目があっても相談は可能です。

「まだ早いかも」と感じます。相談してよいラインはどこですか?

迷った時点で相談してOKです。

特に、返済のために借りて返す、自動車操業が始まっている、生活費を削って返している、睡眠や体調に影響が出ている場合は、現状確認の相談を優先してよい状態です。

家族に知られずに相談できますか?

相談段階であれば、連絡方法(電話の時間帯、郵送物の扱いなど)を事前に伝えることで配慮してもらえることが多いです。心配な点は最初に希望として伝えてください。

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